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Y.A.books
光草(ストラリスコ)

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  • サイズ A5判/ページ数 158p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784338144025
  • NDC分類 K973
  • Cコード C8397

出版社内容情報

"画家サクマットは,光をあびることができない病の少年のために,部屋の壁一面に絵を描きはじめた。生命と死をみつめる美しい物語。   中学生~一般"

内容説明

暗闇のなかで、あたり一面に、何百という細い穂が金色の光を放って輝いていた。「光草だ!」画家は、光を浴びることができない病の少年のために、部屋の壁一面に絵を描きはじめた。画家と少年の心の交流を詩情豊かに描く物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

83
イタリアの作家による児童書。舞台はトルコ。絵描きが領主から依頼されたのは、病身で外へ行けない子どものために、部屋に絵を描いて欲しいというものだった。画家は、ただ気を紛らすために“飾る”絵ではなく、少年と心を通わせながら、類まれな壁画を描き始める。綺麗で優しい物語。2015/10/06

chimako

78
病気で光にも風にも当たれない少年と画家との心通う日々。少年の汚れない瑞々しい感性に読み手の胸の中にも涼やかな風が吹くようだった。物語は稀代の画家サクマットが太守ガヌアンに請われ、奇病を患う息子マドゥレールに会いに行く所から始まる。マドゥレールは太陽の光や空気中のホコリが体を蝕む病気のために外気を濾すガーゼで覆われた部屋から一歩も出ることなく暮らしている。その少年と相談しながらサクマットは部屋中に絵を描く。生きている世界を描く。想像の物語を描く。命の輝きを描く。季節を描き、時を描く。美しい物語だった。2021/04/13

R子

23
日の光を浴びることのできない病であるマドゥレールの為に、絵描きのサクマットは部屋の壁に自然の景色を描きはじめる。2人の交流は、絵の上にも変化をもたらす。まるで生きているかのような。その過程が丁寧に描かれ、かと思えば幸せな時間はぷつりと途切れ、何とも言えない寂しさを感じつつの読了だった。とてもすき。2015/06/25

きゅー

14
病気のため部屋に閉じこもることを余儀なくされた少年と画家との交流の物語。少年の視点で読めば成長とやがて訪れる死への恐怖、画家の視点で読めば少年との生活によってふたたびよみがえる若い感動、あるいは少年の父親となる太守の視点で読めば息子のためにすべてを抛ってもかまわない愛情が見えてくる。登場人物が限られているからこそ、それぞれの人物の思いが強く浮き上がってくる。読者が少年であれ壮年であれ、誰かの立場になってこの物語に身を置き、共感を抱くことが出来るのではないか。豊かで重層的な佳品だった。2015/10/20

black_black

13
難病を抱えた少年と、確かな技巧を持つ絵かきとの交流を描いた児童文学。少年の真っ直ぐな言葉を一切否定せずに受け止めたり、遊んだりする画家サクマットの純粋な人間性が印象に残った。おかしな視点かもしれないが、自分の子どもとのコミュニケーションもこの様なものでありたいと考えさせられた。2023/12/13

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