内容説明
誰にでも理解できる愉しい源氏入門書。下巻では、胡蝶~まぼろしと、宇治十帖を収録。
著者等紹介
吉屋信子[ヨシヤノブコ]
1896~1973。新潟県生まれ。新聞や女性向けの雑誌に数多く作品を発表し、主に大衆小説および少女小説の分野で多大な読者の支持を得る。大正9年に刊行された『花物語』は“女学生のバイブル”といわれベストセラーとなった。戦後はあらたな境地をひらき、昭和27年には『鬼火』で第四回日本女流文学者賞を受賞。大正から昭和へかけての文学史上にひとつの地位を築いた
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感想・レビュー
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谷崎潤子
1
浮船の表紙。宇治十帖は本当に残念ながらさらりと終わります。解説の通り、力のある作家だったのだと思い知ります。甘いだけでなく歴史的な部分もきちんと押さえたわかりやすく簡素であるだけでなく、吉屋信子特有のロマンチックさも兼ね備えた源氏。古典をもっとやってほしかったな。2011/03/08
薫
0
上中下巻で源氏物語をお講義。語り部のお祖母様と聞き手の孫娘たちのことが細々と書かれていないのは雑誌連載だからだろうか。そして宇治十帖もさらりとアウトラインだけ。残念だが、これ以上長いのは全体として助長か。2011/08/11
maekoo
0
叙情作家の吉屋信子の書いた源氏物語でなかなかの珍品です! 太平洋戦争末期の上流階級の一家が空襲を避けて鎌倉の別荘に三人の麗しき孫姉妹と祖母が疎開しそこで末娘がリュックで東京の実家から持ち帰った祖母の蔵書「湖月抄」を元に語られる源氏物語の語りと言う設定です 隣に越して来た過去苦労し今や成功を成し遂げた女性実業家や中国大陸に残されたこの家の主である連絡のない夫婦、三人姉妹の長女の未だ復員していない夫等様々な登場人物がこの物語語りに色を添えてくれていてこの物語自体も吉屋信子らしいお話で興味深く読めます2020/05/28
くじら
0
☆8 上中下と読んできたが、一番好きなのは下巻だった。2019/04/09