感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
3
アイルランドの民間伝承のイエイツ自身の聞き書きの、アイルランド文芸復興運動の発端となった「ケルトの薄明」前後、詩人としてのイエイツは当時の象徴主義、神秘思想に傾斜していて、ケルトをテーマとした多くの幻想的な詩と同時にイエイツが詩的象徴に据えた"薔薇"をタイトルとした多くの幻想的な詩も書かれている。・・・この幻想、神秘、精緻な文体の散文集「神秘の薔薇 」の創作物語はアイルランドのキリスト教信仰とケルト信仰がせめぎ合い、アングロアイリッシュとしてのイエイツの葛藤が書かせていたかなと・・・2018/12/31
堆朱椿
3
イェイツの散文集。「ケルトの薄明」「神秘の薔薇」「月の沈黙を友として」等を収録。何故か本の最初にイェイツの心霊写真(?)が載ってある。アイルランドの伝承を聞いてエッセイにしたという「ケルトの薄明」はともかく、他の散文は神秘主義的すぎて私には読みにくかった。とても好きな文章もあるのだけど…。2014/09/21