叢書死の文化<br> ある死刑囚との対話

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叢書死の文化
ある死刑囚との対話

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784335950247
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C1395

内容説明

死刑執行の朝までの、心の軌跡。死を前にした人間の不安、煩悶、祈り、死後の平安への希求をリアルに伝え、著者自らの入信への契機をも語る。初めて公表する『宣告』のモデルとの往復書簡。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

9
バー・メッカ事件の主犯Sと著者の往復書簡。兄の母への虐待や戦後の価値観崩壊が影響し、刹那的に生きるしかなかったS。事件後も、殺人に対し反省不要とうそぶく。しかし、拘置所内で信仰に巡り合い、初めて罪の意識が芽生え、もだえ苦しむ。しかし、その後は体内から毒素を出し切ったがごとく、心の平安を得る。ひたすら内省した結果、その考察が著者を凌駕する。Sの処刑により、その対話が唐突に終わったことが惜しい。2019/01/06

イカ

1
著者と死刑囚Aは愛と信頼に結ばれた友情関係を深めながら、死、信仰、神、犯罪とは何かを共に追究し続ける。系統立てて整理されていない生々しく重く深い一つ一つのことばに圧倒される。思想、文学、哲学のことばが立ち現れる現場に居合わせているような感覚をもたされる。 「凶悪犯罪を起こし、死を前にした人間でもこのような心になれる」というのでは全くなく、「凶悪犯罪を起こし、信仰を持ち、多くの人と友情を結び、母を愛し、死を前にした人間がこのように生きた」という圧倒的でユニークな一人の人生そのものを読者は感じることになる。2019/02/16

桐一葉

1
どう感じればいいのか どう考えをまとめればいいかのか それを考えすぎて読むのが止まってしもた。人を殺すのはよくない、それを自分の死をもって償うのはよい。そういう仕組みで今成り立っている。単純な考えで、人を殺しておいて自分は信仰により心穏やかな日々を手に入れ過ごしている そんな死刑囚の立場はあまりにも身勝手ではないか、と。けど、全ての命は尊い。たとえ人を殺した命でも。考えが巡りすぎて、手紙のやりとりが入ってこーへんくなったので途中で終了。いつかまた読む日が来る。2016/01/23

musis

1
正直、難しかった。哲学的に感じた。読み取ろうとしたけれど、自分の浅い意識では掴み取れなかった部分が多々ある。深く沈んだ意識のなかにいるんだなあという感想を持った最後、お母さんと美絵さんとの手紙を読んで、目が潤んでしまった。出す人によって文体が違う、のせる想いも違う、当たり前のことが、鮮明に浮かび上がって、死刑囚の、手紙を書いたその後をおもった。2014/04/28

陸のタコ

1
「喜びつつ生きること,は大事なことではないでしょうか」,「死とは,語ったり,見つめたり,書いたりすることではなく,与えられた死を受け取ることがすべてなのでしょう」などの,生と死についての記述には考えさせられる.その日を教えられてからの24時間をどう過ごしたのか?「死の直前まで,冷静な理性の目を世界と自己に対して持ち続けたい」の通りだった様に思う.美恵さんとお母様への手紙は,何度も読み返した.  2012/07/21

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