内容説明
医学の差異は医療の差異ではない。未開社会だけではなく高度生産・情報社会である日本の隠された文化システム、疾病観、身体観などを治療の現場から報告し、問題点を追究する。
目次
第1章 コミュニティ参加の医療と共同体―中央アメリカ・ホンジュラス共和国の事例から
第2章 保健所という名のカーゴ―北西アマゾンにおける制度的医療の受容の一側面
第3章 病気の表情
第4章 ギフト・オブ・ライフ―臓器移植の人類学的分析
第5章 語られることと書きとめられること―精神医学における臨床的現実をめぐって
第6章 東大阪・A病院の夜間利用者たち―夜間診療の〈かけひき〉と戦略としての〈投薬要求〉
第7章 治療される家族―家族療法再考
第8章 医療環境の変化と受療者の「治療戦略」―新潟県・豪雪地帯の事例についての試論