内容説明
時代小説がますます面白い。人情の機微が、物語に流れるその時代の空気が、厳しい今を生きる私たちの胸を熱くする。時代をさかのぼる悦楽、見逃せない最新１６編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつき号
6
西條奈加、再読だったけど、やはりいい。 ラストの葉室麟、佳かった。今までの彼の読んだ中では一番好きだ。 朝鮮通信使の作品も、今までの時代小説であまり読んでこなかった時代、新鮮だった。2015/01/10
山内正
5
母と二人暮しも母を亡くしたが 手習いをし習い子も増えてきた びんしけんと字名を付けられ 見知った同心が実はむささびの辰を捕まえたんだが娘を預かって欲しい、もう二十歳だが 此処へと言われたと女が来た やっぱり迷惑なんだね 読書き習いたいお蝶は切羽詰って 言った おくめさんこの娘は何も出来ないんだ人並みの娘の様に と頼む おれお父っつぁんが盗賊って 暫くは知らなかった 長屋の女達と小競合いをし盗賊の娘だと騒いだ 迷惑と姿を消した 半年して鳶の男に嫁いだと聞かされた 先生の嫁さんになっても良いよと言った事も 2021/11/01
山内正
4
御用でしょうか少しキツい女が店から声掛けた 覚悟はありやすかぃ、どうします殺されたなら証がいるんですよ 勘だけじゃ辞めた方がいい 取引先の滝田屋に刺殺され後 自身番に出頭したが 女房の不義密通で放免になる 二月今や商売をしてると 二月後お白州で売掛が一年以上 未払いで密通はしておりません 滝田屋返品の書類は無いのかと 売掛金は死んだ後でも払わねば ならぬどうする? 奉行様密通なぞできる筈ありません夜は役立たずの人です 間夫など出来る筈はないと 一件は再調べの末に滝田屋が 白状した2021/11/02
山内正
3
中村楼を花で飾る、藤間流の宴で 紗代乃が頼まれた 母は十三の時に男と出奔した 藤枝と踊りの女と友は一人 踊る人観る人は着飾り集る 華美が過ぎてもと 橋を渡って来た男藤間勘弥が親しげにおとは難しい、私には母の芸しかない、私の様な男は宗家を離れてやっていけない 藤枝は特別だよ二人で新しい踊りをする 子供の頃樹の下で浮かれた様に 藤枝は踊り父親がね友達になっておやりと言われて 私もそうだわ 踊りの中の狂気は激しい恋をしないと分からないのよ 口三味線を唄いながら話す 2022/10/30
山内正
3
鋤を水田に立て顎を乗せ天守を眺めている おちょうが又怠けてるとやって来た、あのねおとっつぁんがたまには煙草の葉を刻みに来てくれって 夫婦にと決まってるが言って無い事がある 親は黙っていても大丈夫と言う 佐賀藩の長崎へ捨て足軽を組織したと 長崎の港にオランダ船が入り幕府の返事を待つ 佐賀藩は見守るだけ 長崎へ出兵と隊列が長崎街道を行く 後で若い男と話をする 火薬袋を配られ 四十男が煙草を 吸い火種をポイと捨て 近くの火薬につき爆発した 指を二本無くしちまってまだ痛い 何とか包丁を握れるようになる 2022/04/09
