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代表作時代小説〈平成21年度 55〉男と女、秘めた想いを

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  • サイズ B6判/ページ数 454p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334926656
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0093

内容説明

昨今、いよいよ人気を博す歴史・時代小説。登場人物の立場、身分は様々あれど、人の情けは時代を超えて胸に染み込むものがある。最新の傑作を揃えた伝統のアンソロジー。ひとしきり酔いしれる魅惑の18編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山内正

6
見知らぬ手代に伊勢屋の名を言われ 大坂屋だと派手な羽織を着て 分かった、取引先では無いがと 当主に直接話をと取り次ぐ 奉行所与力の名を出されて 数日して大坂屋自前籠で迎えに 見たこともない丁度の広さに驚く 増上寺山門を潜り奥へ 伊勢屋に十万両を一割で融通すると事も無げに話し払いは年末にと 七月大坂屋に、手前どもの宗三郎がですか何かの間違いでは 増上寺とは一体? 騙りにあった! 2021/11/28

山内正

6
おさよがべそをかいてる割れた茶碗 を拾い 筆を買って貰いたく洗い物をしたのか 内職もろくに出来なかった母親 良く生き延びたものだと思う 人を憎んでいるなよと手習の師匠が じっと立つおりょうにいいから入れ と頭に手を掛けてくれた 今じゃ子供がいなさるんだろうな 熱で仕立物が遅れると言ってきてやると隣のおさよが 夢で師匠を見た自分だけ今の姿で 貰った筆箱は捨てずにある 芝の方に引越したと 町役に居るよと聞き、家の前に、背の高い女がいた 去り状を取りに来た妻だと半数は払えない子供達だ どうしてこんなに良い人なの2021/06/12

山内正

5
木場が大好き八歳の市太郎は蛤町で暮らす事に 母親の養生の為に 浅吉って男じゃなかったのか  母親より若く女振りのいい  わっちは芸者、男名でお座敷に出るんですよ、おひさと呼んで下さいなと気の強い子だ何処の子だろう 女親達が口にした  この川は何処へ向かってるかそうだ海だ深川の堀は木場へ木場も海に続いてると先生が話した  奥様があと一年って段取りの良さはわっちは堪に触ります 二十ごになり祝言を挙げる事に  久し振りに蛤町へ、先生はいない おひさの家も朧げに  梅干しですかと坊ちゃんとおひさの声がする 2022/07/24

山内正

5
夜雨を描きたくて十間川向うに鳥居が見える 喜鶴堂に頼まれ上は余白に狂歌を書く 写し絵を描いた詰まらなさ 土手で目にした娘は若者に言い寄る勘当が解けたらと 危うい仲だと土手を離れた 親は身分違いだと娘に言う 中年夫婦が長年仲良い暮らしをしたが子が授からないから神社で拝めば授かるた店を出た 此処からだと黒い影にしか見えないけど描きなさるのとおとよと女が絵を見る 地べたに突き刺さるような雨さ 川はどんな色黒いの降るのかね おっ母さん 店はどうしたの おっ母さんに会える日を待ってた 川のことを忘れ涙ぐんだ2021/11/28

山内正

5
離れずにいながら没頭する十返舎一九と横にいるお榮にも 春から旗本へ踊りの指南をと舞が 戯作者の女房になる気はありません 嫁ぎ先を考える お榮と並んで両国橋を歩き 家を飛び出したお榮 絵なんか描かなきゃ良かったよ 見なくていいもんまで見ちまう お榮が詫びるのが先です 女房を粗末にしたじゃないか ちまちまと型に嵌った絵ばっかし 受取状を書いておけと三行半を 叩き付けた 大の字になり天井を見ている 何度も迎えに来るまで お榮さんが人妻になるなんて どだい無理な話だ2021/11/12

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