出版社内容情報
天祢涼［アマネ リョウ］
著・文・その他
内容説明
大学を中退し、人生に迷っていた坂本壮馬は、兄が神職をつとめる横浜・元町の、由緒正しく恋愛パワースポットとしても有名な神社、源神社で働くことになった。信心ゼロの壮馬の指導役は、「この世にこんなきれいな子がいるのか」と見惚れてしまう美少女・久遠雫。彼女は、参拝者の前以外では笑わない。どこか、謎を秘めていた。心霊騒動、端午の節句、就職祈願、夏の祭礼ｅｔｃ．…。神社を巡るさまざまなことを引き金に巻き起こる謎に壮馬が体当たりし、雫が解き明かす。そんな雫も、大学の准教授・鳥羽にはふだん見せない顔を見せ、壮馬は気が気でなくなり―。初詣に七五三、お宮参りや酉の市、日本人の暮らしに深く根ざし、パワースポットとしても注目される神社のお仕事をテーマに、明るく、意外性に満ちた、趣向溢れる本格ミステリ！
著者等紹介
天祢涼［アマネリョウ］
１９７８年生まれ。『キョウカンカク』（後に『キョウカンカク 美しき夜に』に改稿改題）で第４３回メフィスト賞を受賞し、２０１０年にデビュー。２０１２年『葬式組曲』が「２０１３本格ミステリ・ベスト１０」で第７位に選出。２０１３年、同書が第１３回本格ミステリ大賞の候補、同書収録の「父の葬式」が第６６回日本推理作家協会賞（短編部門）の候補に選ばれた。２０１７年刊行の『希望が死んだ夜に』はロングセラーになっている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ＠2019.11.2～一時休止
77
連作短編集。巫女さんが探偵役ってのがイイ感じ。でも縁結び神社かどうかは最後の一行で・・・。2018/12/12
kotetsupatapata
58
星★★★☆☆ 絶世のツンデレ美少女である巫女の雫と、訳あって神社に勤める事となった壮馬とが織り成すラブ💘ありの軽いミステリーかと思いきや、意外にシリアスな内容でした。 それまでのストーリー内に散りばめられていた些細な会話や、何気ない気持ちの表れが、最後に全て結び付いてくるとはやられました。 普段神事等意識して暮らすことは少ないけど、丁寧な説明で興味を持つ事が増えました。 深いトラウマを抱えた雫と壮馬ですが、次巻では二人の仲が進展するのかな？ それにしても鳥羽は最初の印象と全く逆のゲス野郎でしたね😡 2020/10/28
ジンベエ親分
49
なんで文庫版が出る直前に単行本を買うかな？俺(笑) 神社が舞台のお仕事ミステリーでツンデレヒロインというありがちなフォーマットの作品で、文庫書き下ろしの方が戦略としては良かったのでは？と思わないでもない。とはいえ、一度解決したかに見えた話をひっくり返したり短編集だが全体を貫く伏線を最終話できれいに回収していく手際の良さは、安定の品質。謎そのものも他愛ないなりに著者の価値観が滲み出ている気がして読後感も良い。「希望が死んだ夜に」を読んだファンとしては「物足り～ん！」と叫びながら続編も買うと思われる(笑)2020/01/13
ぽぽ♪
45
大学を中退し、兄が入り婿した神社に住み込みで働く事になった壮馬。そこで巫女をしている雫と、神社に依頼されたちょっとした謎を解くことに…話的にはサクサク読めて面白かったですが、雫のキャラがあまりに傲慢でちょっと微妙でした。そこまで上から目線？。もう少しデレな部分が欲しかったです。壮馬も先輩の設定があんまり生かされて無くて残念でした。2019/03/25
よっち
45
とある事情から大学を中退して人生に迷う坂本壮馬が、兄が神職をつとめる横浜・元町の源神社で働くことになり、参拝者の前以外では笑わないどこか謎めいた美少女巫女の久遠雫と出会うミステリ。神社での心霊現象、子供まつり中止を求める脅迫状、神社移転を嫌がる理由、就職活動を邪魔する存在、そして雫が源神社で働く理由といった謎を解いていく連作短編集で、クールな雫を探偵役に誰かのために奔走する壮馬がいいフォロー役で、終盤はなかなか劇的な展開でしたけど、少しずつ変わってゆく二人の距離感がどうなるのか是非続きが読んでみたいです。2019/01/03
