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内容説明
日本語における芸術的価値とは何か―。著者が生涯追究してきたこの課題について、自ら母校・東工大の学生に語った集中講義を集成。『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』をふまえ、神話時代の歌謡から近現代の文学までを縦横に論じる。そして、現代詩人たちの作品から浮かび上がってきた重大な問題とは?著者自身による「芸術言語論」入門。
目次
第1章 芸術言語論の入口(芸術言語論までの道のり;表現転移論のポイント ほか)
第2章 芸術的価値の問題(価値論とはなにか;芸術言語の価値について ほか)
第3章 共同幻想論のゆくえ(「国家は幻想の共同体である」;「人間」を捨象した「政治と文学」論 ほか)
第4章 神話と歌謡(神話はどのようにつくられたか;天皇制はどこへゆくか ほか)
第5章 若い詩人たちの詩(若手詩人の詩は「神話」に使えない;「無」に塗りつぶされた詩 ほか)
著者等紹介
吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年、東京月島生まれ。東京工業大学卒。詩人として出発し、’54年『転位のための十篇』で荒地詩人賞を受賞。その後、文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場。思索・言論活動を幅広く展開し、日本の戦後思想に大きな影響を与えた。2003年『夏目漱石を読む』で小林秀雄賞を、『吉本隆明全詩集』で藤村記念歴程賞を受賞。2012年3月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ああああ
3
同じ本を百人が百回読んだらだいたい同じところに行き着くのでは/比喩とは転換。詩人の資質を決める要因/立原道造は伝統的な古典詩と等質化をモチーフ/りんごの値段、交換価値とりんごの味、使用価値/動物の言葉はすべて感動詞/いまの自分と理想の自分とのあいだのコミュニケーションが豊富になればなるほど芸術性は高くなる/自然がなくなっちゃってる2018/10/04
k.kishida
2
東工大での講義をまとめた本だそうです。数年前にNHKで放送された講演の内容とも重なるものとなっています。言語にとって芸術的な価値とは何かということについて書かれています。「言語美」「共同幻想論」の流れの意味がなんとなくわかりました。2012/11/26
ダージリン
1
こういう講義を聴けた東工大の学生が羨ましい。これだけ色々語ってくれれば言うことはない。共同幻想論の理解が深められたのは有り難かった。漱石、宮沢賢治、源氏物語など吉本隆明の著作で取り上げられているトピックへの言及も多く、こちらも理解が深まった。言語美は積読のままだが早めに読みたいと思う。講義が基になっているとは言え、あまりに喋り言葉で書かれているのは少し気になった。編集者の意図なのかそれとも吉本隆明自身の意図なのだろうか?2016/01/30
shami
1
最後の章(現代の若者の詩)の部分が面白い。2012/09/30
うろたんし
0
小説の書き方ってやつがあるんやね。2014/03/03