光文社知恵の森文庫<br> 家族のゆくえ

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光文社知恵の森文庫
家族のゆくえ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 230p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334786076
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0195

内容説明

著者は太宰治の「家族の幸福は諸悪のもと」という言葉に感銘を受け、こだわってきた。脆くて、しかし大切な“人生最大のドラマ”である家族とどう向き合い、いかに維持していけばよいのか。子育ての勘どころとは?夫婦のあり方とは?老いとは何か?晩年の著者が、自らの体験をふまえつつ、混迷を深め複雑化する現代家族の問題に挑む。

目次

序章 家族論の場所
第1章 母と子の親和力―乳幼児期
第2章 「遊び」が生活のすべてである―少年少女期
第3章 性の情操が入ってくる―前思春期・思春期
第4章 変容する男女関係―成人期
第5章 老いとは何か―老年期
補註 対幻想論

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年、東京月島生まれ。東京工業大学卒。詩人として出発し、’54年『転移のための十篇』で荒地詩人賞を受賞。その後、文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場。思索・言論活動を幅広く展開し、日本の戦後思想に大きな影響を与えた。2003年『夏目漱石を読む』で小林秀雄賞を、『吉本隆明全詩集』で藤村記念歴程賞を受賞。2012年3月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ダイキ

4
「普通、〈やる〉ことは〈考える〉ことより大切だとおもわれがちだが、わたしはそんなことは信じていない。わたしが埴谷雄高さんに感心する点もそこにあった。あの人は花田清輝との論争のなかで、クモの巣のかかったような部屋に引きこもっていたって革命家は革命家なんだ、と明言した。そこまで言い切った人はいない。世界中にひとりもいないといってよかった。(略)考えることを構想する人が過半数を超えれば考えただけでも変わるのだ、この世界もこの国家も。」(第一章 母と子の親和力【乳幼児期】)2019/11/25

Mumiu

3
学生時代、とりあえずレポート論文の参考に吉本隆明と書いて満足してたので、「言語にとって美とはなにか」とか「共同幻想論」とかに比べたら読みやすい(しかもその二つを読んだとは言い難い!)。幼児期における母親の存在強調、愛情欠如などの問題は理解できるが、実現できない人も多い現実を直視してほしい。とはいえ、彼はわたしにとってはやはりアイドルの一人。ほかも少しずつ読んでいきたい。高校生の娘が「この人ってばななさんのお父さん?」と聞きました。それくらいはわかってる彼女もかわいいし、確かにわたしの娘だよな~と感心♪2013/02/23

yutaro sata

2
教師について書いているところなんかが好きですね。安心します。2022/04/24

rubbersoul

1
「人間の生涯は大なり小なり願望どおりにはいかないようにできている。人には通じないようなイヤな努力をした経験はだれにでもあるとおもいたい。その一方では、そうした努力をどこかで解消したり、自分で自分のこころをなだめたりすることも必ずあるとおもえる。わたし流の言葉でいえば『自己慰安』ということになり、それが芸術の本源だとおもっている」2022/09/20

かやん

1
「少年少女期は遊びが生活のすべてである」「軒遊び」親の傍らでの生活と外の生活との中間。小学校の中休みとかもそんな感じ。小学校の先生は子どもと一緒になって遊んでいればいい、遊びながら生徒は聞いている。それは今の学校にはないだろう。でも私の子ども時代は確かに「軒遊び」の時期が存在していたように思う。受験のための勉強を10歳かそこらの子に当たり前のように強いる現実、その反面見守る親や親の代わりが誰も居ず、放置される子どももいる。子どもを産み育てるとはなんなのか、著者の言葉は少し強引だがわかる気がする。2015/04/08

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