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光文社文庫
分離の時間―松本清張プレミアム・ミステリー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 360p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334769536
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

倒錯した性と政界の裏面の歪みをからませた異色中編。自動車メーカーの企業エゴイズムを衝く「速力の告発」も併載。

内容説明

代議士の八木沢がホテルで絞殺された。新聞記事を読んだ広告代理店の外交員・土井は、一月前に乗ったタクシー運転手の話を思い出す。運転手は、京橋の明和会館前で乗せた六十過ぎの紳士に口説かれたというのだ。この紳士が八木沢だと確信した土井は、友人で雑誌記者の山岸と事件を追うが…(表題作)。自動車メーカーの企業エゴイズムを衝く「速力の告発」も併載。

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

50
表側から裏側へとビルを通り抜ける間に世間一般に知られている生活から別の生活へと移行、その間は日常の連絡から分離した誰も知らない時間となる。八木沢代議士の、分離の時間。調査を始めた時点では彼個人の問題とおもわれたが、実はもっとどろどろしたものが隠されていた。さすがは、松本清張。2023/03/02

佐島楓

41
中編二作品収録。後に収められた「速力の告発」がよかった。こういった社会的メッセージ色の強い作品が清張の本領発揮であるし、当時の時代背景も垣間見られた。2015/10/15

James Hayashi

25
短編中編の2編。45年ほど前の作品であるが時代を感じさせない。表題作ではホモを、もう一つは車の数と性能の社会問題を扱っている。海外に暮らし、日本製自動車の性能に誇りも感じるが、快適安全性を歌い売り上げ増進を狙うやり方には疑問符をうつ。激増する自動車数に社会はもう限界値(排ガス、渋滞など)を超えているだろう。エンディングは自動車関係での回答でなくジョークなような意外な展開。巨匠にしては小ぶりと感じる作品だった。2015/10/20

きのこ

17
久々の清張ワールド。表題作の「分離の時間」はくどくどしくて楽しかったけど(笑)、「速力の告発」は本筋から外れた結末で、ん?って感じ。まあこれだけ著書があればそんなのもあるよね。ごちそうさまでした。2018/11/22

竹園和明

14
「分離の時間」「速力の告発」の2篇。表題作よりも併載の「速力の告発」の方が松本清張らしさが出ている。自動車メーカーの販売至上主義と、当時の通産省との癒着に敢然と立ち向かう一般市民を描いた作品。執筆された昭和44年頃は車による事故が頻繁に起き始めた頃で、自動車メーカーは速さを競うように新車を投入し続けていた時代。自動車事故で家族を失った主人公を介して自動車社会に警鐘を鳴らすという視点が松本清張らしい。小作品ではあるが、ブラック感がジワジワと現れてくる辺りはそこそこ面白かった。2015/09/23

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