内容説明
昭和二十八年、一人の金貸しが殺された。警察は没落華族の若い女とその家の元使用人を犯人と断定。だが、二人には難攻不落のアリバイがあり、事件は迷宮入りしてしまう。女は後に、一躍、人気マンガ家となるが、三十四年後、今度は彼女の元夫が不審死を遂げる―。二つの事件を追う名探偵・水乃サトルは、悪魔的な完全犯罪計画を見破れるのか?究極の本格推理。
著者等紹介
二階堂黎人[ニカイドウレイト]
1959年東京生まれ。’90年第一回鮎川哲也賞で『吸血の家』が佳作入選。’92年の『地獄の奇術師』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひで
12
最後が気になる。2017/02/22
夜間飛行
10
自慢めくが、メイントリックは見破ることができた。私ごときがある程度まで推理できたということは、決して作品の価値を貶めるものではない。むしろほめ言葉であって、それだけこの作品は良くできていると思う。本当に感心するくらいフェアな作風だ。意外性ばかり狙う最近のミステリには嫌気がさしている。ポーもドイルも意外性など狙っていない。ミステリの醍醐味は推理の愉しみにあるのであって、読者にも少し謎が解けるくらいでちょうど良いのだ。二階堂さんはいろいろ趣向は懲らすが推理重視の作風で、まさに本格派の名にふさわしい人だと思う。2013/02/05
ホームズ
9
二階堂版『○○○の○○』ですね。本格推理としては良かったけど小説としては本家かな。好きな作家さんだし好きなシリーズだから楽しんで読みましたが(笑)社会人と学生のサトルを両方楽しめるのはいいな(笑)しかしワトスン役もいつか共演してほしいな(笑)学生時代のワトスン役の紫苑も活躍してほしかった(笑)2012/04/30
y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)
6
シリーズ4作目。なんとなく再読。多分僕が初めて読んだ倒叙ミステリー。面白かった。2019/05/24
Lucy
4
これも感想を今頃。 シリーズもののようですが、いきなり読んだ1冊。 倒叙ものですが、ネタが分かった時には「そういうことか~」ってちょっと鳥肌立った。 現代と過去の記録を交互に読む形で話が大きく動かないので少々淡々と読むだけになった部分があるけど、最後の部分は本当に秀逸だと思う。 やられた感のあるおすすめの叙述推理の1冊。 (まぁ叙述を読むことは少ないけど) 犯人と主人公水乃サトルのやり取りもぴりぴりした空気が伝わってくる。 シリーズ他のものもと思って本屋で探したら厚さでちょっと躊躇。