内容説明
明日なき孤独な旅に身を置く紋次郎は、決して他人を信じようとはしない。だが、長楊枝をくわえた凄腕の渡世人の名は、街道筋では知られている。どんなに避けていても他人と関わりを持ち、災難に巻き込まれてしまう。そんな彼にとっては腰の長脇差だけが心の友だった…。シリーズの看板となった迫真の活劇シーンを満載したベスト・オブ・紋次郎の第二弾。
著者等紹介
笹沢左保[ササザワサホ]
1930年、神奈川県生まれ。’60年に『招かれざる客』が江戸川乱歩賞次席となり、作家生活に入る。翌’61年『人喰い』で日本探偵作家クラブ賞を受賞。本格推理からサスペンス、時代小説まで多数の作品を手がける。「木枯し紋次郎」シリーズはテレビ化もされ大ヒットとなる。’99年、第三回日本ミステリー文学大賞を受賞。2002年逝去。享年71(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
19
【図書館】上巻に続いて読む。 今回の特集は「剣戟」シーンをクローズアップしている。 剣戟=長脇差である、一介の渡世人に銘のある刀が持てる筈が無い。 その辺にあるガラクタという事になる。 だから「斬る」というより「刺す」という殺法が生まれた。 しかし、木枯し紋次郎も名刀を持った事がある。「北村直光」と「志津三郎兼氏」の二振りである。 他にもあると思うが物語で言及しているのはこの二振りである。 今回の剣戟シーンは凄い死闘を繰り広げる、まさに修羅の道である。 紋次郎シリーズ全巻追ってみたいと思った。 2021/07/15
ぶんぶん
18
【図書館】上巻に続いて読む、ルーツ編の後は大殺戮編です。 紋次郎が、10人、20人の渡世人を相手にする迫力いっぱいのストーリーを選りすぐり。 しかも、刀が折れてしまう危機感の作品も。 渡世人の長脇差は「なまくら」と相場が決まっている、しかし、紋次郎は命の懸かったやり取りで長脇差が大事と考えて出来るだけ良いものを選んでいた。 ここで、名刀と出会うシーンがある。 「北村直光」と「志津三郎兼氏」である。 この二振りは名工が鍛えたものです切れ味違う、前後の作品を見ると流石に違う、刀が吸い込まれる様な描写である。 2023/06/11
くさてる
18
活劇面で優れた作品をセレクトしただけあって、迫力ある場面が多い話が続いて、面白かったです。なんとも圧倒されるような凄惨な現場を潜り抜け、それでもときどき、渡世人の世界から離れる夢を見てしまう紋次郎の描写がせつない。面白かったです。2020/12/24
ぶんぶん
11
【図書館】 木枯し紋次郎傑作選・第二弾! 今回は容赦ない凄みの喧嘩殺法が爆発する。 十人、二十人がまとめて紋次郎に襲いかかる。 頼れるものは、己れの腕と腰の長脇差。どうしても巻き込まれてしまう修羅の道の紋次郎に同情を禁じ得ない、木枯し紋次郎 虚無と孤独の人である。2015/09/23
Ribes triste
7
読み終わっちゃった。紋次郎はどこへ行く。選集じゃなくて全集出して~と叫びたくなるほど続きが読みたい。2016/03/25