内容説明
旗本の三男から一転、一介の浪人となった刀根新三郎。長屋の連中からも慕われ、侍には珍しく料理の腕もある新三郎のところへ、さまざまな人間が相談にくる。奉公先の金子を盗んだとされる手代、仇討ちの武士…。持ち込まれる難題を料理と剣で見事に解決。河豚、湯奴、蕎麦、鴨鍋など垂涎の料理が満載。風情あり、情あり、そして食欲をそそる新シリーズ第一弾。
著者等紹介
芦川淳一[アシカワジュンイチ]
1953年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務を経て作家に。人情ものには定評がありファンも多い。歴史時代作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
69
時代小説なるものを数年振りに読んだけど、これは当たった~!風情あり、情けあり、そして食欲をそそる。まさに、その通りの小説だった。浪人の新三郎、料理で解決するいいキャラです。内容的にも読みやすく、ある意味単純な話なんだけど、それがまた分かりやすく、サラサラ読める1冊でした。☆☆☆★★2017/03/08
雪風のねこ@(=´ω`=)
38
雰囲気は井上ひさしさんの東慶寺花だよりに似ている。が作品は少し拙い気もする。ただ浪人が包丁を振るい命の元を作り出すコンセプトは大変気に入った。人間慣れ親しんだ味は何にも代えがたい物だと思わせる。食は自己を形作った物に他ならないからだ。旨い物を美味しそうに食べるのって、ある意味自分に正直なんだろうね(人を裏切っても自分は裏切れないのかも知れない)次作にも期待したい。2015/10/02
うずら
19
包丁浪人シリーズ第1弾。料理が好きな旗本の三男だった新三郎は、訳あって今は浪人の身。穏和で優しくて、ちょっぴりお節介。持ち込まれる相談や、関わってしまった問題を、料理を交えて解決して行く。人情ものではあるけれど、重くはない。料理の場面はそれほど多くはないけれど、美味しそうな食べ物は出てくるので、ゆるりと楽しめました。2014/04/16
TSUBASA
16
武士の道よりも町人に混じって包丁を振るい、美味いものを作る浪人となった刀根新三郎。長屋の人々から慕われ、剣の腕と包丁の腕がたつ新三郎は様々な相談を受けることになる。何を置いても料理がうまそうで仕方が無い。なんで時代物の料理ってこうもうまそうに映るんでしょうねぇ。鴨鍋、蕎麦、鰊の山椒漬け、鰯の煮付け…料理はなくともせめて日本酒を傍らに読めば良かった!2014/10/23
ごへいもち
15
好みかも(╹◡╹)2023/09/09