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光文社文庫
人生余熱あり

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  • サイズ 文庫判/ページ数 200p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334763053
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

老いることは悲しむべき事ではない。老後には自由が満ちている。会社からも、家族からも、時間からも自由。他人の目からも自由になれる。だからこそ、ただ安住を求めるのではなく、はげしく全人生を叩きつける老後を生きる人々がいる。ボランティアに、発展途上国に、小さな会社に身を投じ、完全燃焼を求めて生きる男たちの熱き姿を、著者自ら足を運び取材。

目次

二十四時間銭湯の人々
干渉されない場所
異国に天国はあるか
退屈しない暮らし方
空っぽの世界
したいことをして生きる
わが人生の晩秋をかけて
「受け皿」は貧弱でも
毎日毎日を新鮮に
救援車は来るか〔ほか〕

著者等紹介

城山三郎[シロヤマサブロウ]
1927年名古屋生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大学卒業後、愛知学芸大学で教鞭をとる。’57年に『輸出』が文學界新人賞に入選。’59年、『総会屋錦城』で第40回直木賞を受賞する。以後、近代日本の歴史的人物や経済をテーマとした小説を次々に発表し、吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』など幅広い作品群で読者の圧倒的な支持を得る。2002年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。’07年3月22日、間質性肺炎のため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

30
老後の問題は経済的備えや、どう住むかという器や、どう面倒を見てもらうかという受け皿の問題ではない。老いに軟着陸しようとすると、老いを持て余し、老いにもてあそばれる人生になる。器を得ることに熱中すれば、失うものもあるからだ。それよりも老いを手玉に取る生き方をすべき。年を重ねるだけで人は老いない、夢を失ったとき、初めて老いる。長い間不完全燃焼だったとしても、そのあとで完全燃焼し、光輝く人生もある。未知の人生に挑戦する喜びにあふれた勇気ある60歳は青春の真っ只中。情熱に年齢は関係なく、情熱の前に年齢は消える。2014/12/01

zaqyassun

7
老後に「軟着陸」を望み、「器」にすがる生き方がほとんどの現代。この本が書かれたのが1988年。やっと時代が追いつた-----との解説に同感。これから人生の総仕上げ期を迎える自分に「人生は挑まなければ応えてくれない」との言葉が刺さります。「自由」は「自らを由とする」ということ。この本を読みながら静かに新年を迎えられ幸せです。2014/01/01

マシンガン

6
第二の人生を選択した人生の諸先輩方を等身大に描く、著者のルポ集。私は未だ僅かにその年齢には達しないが、先輩方が選択を念頭に入れた年代には入っている。幸福とは、生きがいとは、自由とは、何ぞや。仕事とは、家族とは、自分とは、何ぞや…。余熱を発するようになるまでの暫しの間に、少しずつ考えていくことになるのだろう。この本はその際の良きアドバイス本だ。2014/08/08

じいじ

4
「老いることは、悲しむべきことではない・・・」と人生を達観する城山三郎さんの高説は力になります。  ★★☆2011/02/11

読書国の仮住まい

3
老いとは悲しむべきことではない。 老後には自由が満ちており、自分を偽らずに好きなことをする。 そんな熱情冷めやらぬ人たちの雄姿。 自分よりも高齢の方と同居する人。 再婚する人。 自ら命を絶つ人。 海外で技術指導を行う人。 途上国の発展に微力を尽くす人。 ザンビアにパン作りを広めるべく移住する人。 ナウルで自動車整備、マレーシアで農業開発指導する人。 中国で女性用の自転車を開発した人。 技術を学ぶため渡米する人。 七十三にして北海道開拓に挑んだ関寛斎。 野垂れ死と言って良い田中正造。 いずれ余熱か本熱か。2022/04/15

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