光文社文庫<br> 契約

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光文社文庫
契約

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334748227
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

牧丘南欧子、三十四歳。つまらない仕事。くだらない恋人。サエない日常。下り坂の人生だ。そんな時、突然の申し出が舞い込む。ある人物が彼女を見込んで雇いたいと言っている。ついては、試用期間の契約を結びたいというのだ。提示された多額の報酬と不思議な仕事内容。その契約書が彼女の運命を大きく変えてゆく…。女性心理の暗部を抉る傑作サスペンス。

著者等紹介

明野照葉[アケノテルハ]
東京生まれ。1998年「雨女」で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2000年『輪(RINKAI)廻』で第7回松本清張賞を受賞、ニューウェーブのホラー作家として、一躍注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

121
明野作品初読み。30半ばにして仕事も男も金回りも生活も中途半端に自堕落で、怠惰な日常から脱却できない南欧子。そんなある日、南欧子の才能を買いたいという謎の人物からの申し出が。多額の報酬と自尊心を擽られる言葉に舞い上がり雇用契約を結ぶことに。「身の程を知るべし」「契約書はよく読むべし」「旨い話には必ず裏がある」という教訓が込められた作品。南欧子は確かに自分に甘く浅はかではあるが、雇い主の異常なまでの執着心に、終盤は気の毒に感じるほどだった。「覚えていないということが一番罪深く人を傷つける」クワバラクワバラ。2014/11/30

mr.lupin

59
皆さんの感想酷評が多い気がするけど、自分的には楽しめた作品。幼い頃に受けた苛めの復讐をするために、南欧子をヘッドハンティングしてそして契約を... もう逃げ場のない南欧子。そして追い詰める桃子。女の執念は恐ろしい。 そして契約書はしっかり読まないと... 最後の終わり方が少し中途半端な感じだったようなところが残念かな。☆☆☆☆★2018/05/12

のり

52
学生時代にクラスの中心にいた南欧子。転職を繰り返し、恋愛も仕事もパッとしない自分に焦る。そんな時に好条件の申し出を受け、荒んだ生活が一変したかに思えたが…そんな旨い話には絶対に裏があるのに、まんまと罠にはまる。謎の雇い主との間には接点が…過去の出来事を忘れた人と忘れられずにいる人。その差は大きいが、あまりにも周到過ぎるし、成功者の言葉も酷過ぎて辛かった。2016/05/27

BUBI

21
面白かったけど職業に関する偏見がひどい。高齢者のお世話だって立派な仕事なのに。実際にそういう仕事をしている人が読んだら怒るのではないか。「職業に貴賎なし」と私個人は思うのでこの小説の「前提」に承服できないものを感じます。いじめのシーンもダイエットのシーンもリアルで感情移入できるだけにね。もしかしたらあまり信じたくないけど、職業の貴賎こそ「言ってはいけない残酷すぎる真実」なのか。主人公に同情はできないけれど、そういう状況に主人公を追い込んでどや顔する人物にも驕りを感じます。主人公への執着はもはやホラーです。2016/08/20

てふてふこ

21
昔輝いていた女王気質の南欧子。不満たらたらなのがうっとうしい。そんな彼女に苛められてた桃子の復讐。慎みある生活が一変、祖父が企業家で金持ちに。悪い意味のシンデレラ話。それにしても、介護の仕事をしている人から見れば、惨めだ地獄だと頻繁に登場する言葉は不愉快になるのでは。嫌な気分でありながら一気読みでした。2015/07/24

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