内容説明
ミス・コンテストの最終予選に残った五人の美女。最終審査を前に、脅迫、交通事故など彼女たちを襲う事件が次々と発生し、ついには怪死事件が!自殺か?他殺か?警視庁特捜班の前には、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室など、複雑に絡み合った“犯罪連立方程式”が立ちはだかる。周到な伏線が、読者を不可能犯罪の迷宮へと誘う、笹沢本格推理の決定版。
著者等紹介
笹沢左保[ササザワサホ]
1930年、神奈川県生まれ。’60年に『招かれざる客』が江戸川乱歩賞次席となり、作家生活に入る。翌’61年『人喰い』で日本探偵作家クラブ賞を受賞。本格推理からサスペンス、時代小説まで多数の作品を手がける。「木枯し紋次郎」シリーズはテレビ化もされ大ヒットとなる。’99年、第三回日本ミステリー文学大賞を受賞。2002年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
87
笹沢左保コレクション2〔再読〕ミスコンの最終選考に残った5人の美女たちが、次々と狙われていく。最初は交通事故による入院、その後次々と3人の死亡が確認され、連続殺人の疑いで捜査が始まる。必然的に疑われる5人目の女性は、片腕の無い男と不倫関係にあった。1人は密室にてのガス中毒死であり、1人は自宅にて吊棚が外れ落下物による死亡であった。簡単なトリックではあるのだが、見落としがちな盲点を突いている。謎と謎が絡み合い、いったいどういう事だとなる。最後で明らかとなる全体図は、見事な構成であり贅沢でもある、名作である。2019/04/11
coco夏ko10角
26
ミスコンの最終までいきついたミス候補十人、その中で特に期待される東京代表の五人の美女、しかし次々と事件が…。全体のは近いのを読んだことがあったけど、この作品がそもそも1960年発売って考えるとすごい。タイトルとラストの余韻がいい。2019/07/18
yumiDON
19
ミスコンテストを巡る、五人の参加者に次々と訪れる不幸。華やかな美女達が殺された謎を解くパートと、参加者の一人である杉静子の道ならぬ恋とが、なめらかに絡み合い、素晴らしい本格推理ものを作り上げている。かなり前に書かれたものだけど、文章は読みやすく、時代の違いの違和感はなかった。この方の言葉の使い方好きです。トリックも予想がつかないものばかりで、素晴らしかったです。どこか港町を思い起こすような、雰囲気のある話でした。2014/12/01
カノコ
9
古き良き、端正な本格推理。ミスコンの参加者たちが次々と狙われる…という設定自体、時代を感じる。事件の構造がとてもよく出来ているが、印象に残る探偵も登場せず、全体的にとても地味だ。また、静子が執着する程の魅力を小牧に感じられず、何だか違和感があった。タイトルは綺麗だ。2015/10/17
コチ吉
7
最近特殊設定のミステリを立て続けに読んだので、こういう作品はホッとする。犯人の動機には目をつぶるとして、事件の構図やトリックにはやはり唸らされた。いい意味でも悪い意味でもミステリでしかあり得ない話だ。2020/02/02