内容説明
ある朝、勤勉な主婦・文枝は何もしない女になっていた。家事一切はもちろん、パート仕事にも行かず、一日、家にいるだけ。文枝は、何もしなくてもいいという、神のお告げを受けたらしい。困った家族は、叔母の花枝に依頼し、文枝を預かってもらうのだが…(表題作)。心の隙間に宿る闇が、人びとの日常を次第に蝕む恐怖を描く、連作小説。
著者等紹介
明野照葉[アケノテルハ]
東京生まれ。1998年「雨女」で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2000年『輪(RINKAI)廻』で第7回松本清張賞を受賞、ニューウェーブのホラー作家として、一躍注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mr.lupin
47
明野照葉さんの著書三冊目読了。心の隙間に宿る闇が、人びとの日常を次第に蝕んでゆく恐怖を描いた八編からなる連作短編集。どの作品も読みやすくホラーともサスペンスともとれるような、ゾワゾワとした怖さを感じる事ができた。秀逸だったのは「伝染さないで」と「見つめてごらん」。何だか有りそうでなさそうな話で中々と楽しむ事ができた。ちょっとブラックかかったこんな感じの小説は、結構自分好みのジャンルかな。☆☆☆☆★2021/12/14
ミーコ
36
ブックオフにて購入しました。短編集なのですが、全体的に見て 面白かったです。明野さんらしい作品でした。続けて読んでいると何がまともで 何が正常なのか分からなくなってきます。背中にゾクッと寒気が走る様なお話でした。2019/05/18
hirocchi
25
各短編に出てくる人達は、普通じゃない・・・はず。でも普通って何?自分は普通?2015/11/15
たぬ
23
☆3.5 8話収録の連作集。人間度を越した過労や寝不足で脳の働きがおかしなことになるんよね。夢と現実がガチで区別つかなくなるような。どのケースも「いやいやありえないでしょw」とは断言できない薄ら怖さがあった。もうひと工夫!と言いたくなる惜しいオチが多かったな。2023/07/05
陽
23
スリラーというよりも現実的な内容だ。「こんな人いたなあ」って、思い出す内容もあった。変わっていると言うよりも、そんなスタイル、そういう趣味の人いるんだよな。年老いるとそういう人も笑い話にしていると思うよ。2018/11/06