光文社文庫
白髪鬼―怪談コレクション (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334740856
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

壇ノ浦から落ちのびた平家の美しい官女が、あやまって足をすべらせ、水の底へ…。その怨念を秘める幽霊藻(「水鬼」)。弁護士試験の会場に、決まって現れる痩形で背の高い、髪の毛の白い女とは?(「白髪鬼」)。雪降る宵、からだじゅう真っ白になりながら、大溝のふちに坐る婆の正体は?(「妖婆」)。人々を妖気漂う幻想の世界に導く、名作十三編を収録。

著者等紹介

岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年~1939年。旧幕臣の長男として東京に生まれる。新聞社に勤める傍ら劇評や小説を書き、文筆家としてスタート。新歌舞伎運動の代表的な劇作家としても有名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佳乃

30
怪談的な怖さもなかったなぁ。ちょっと残念。不思議なことがあるよね、の感覚でした。2016/09/30

kasim

28
あからさまでないので最初は淡白な感じがするが、じわじわとくる、ほの暗い行燈の怖さでさすがに品が良い。一番印象的なのは表題作で、でも一族の因縁が怖いのか、山岸と結婚したい伊佐子の執念が怖いのか、最後にすごいことを淡々と告白する山岸が怖いのかも分からない、入り組んだ感じ。後書きに引用された大佛次郎による批評も素晴らしい。2018/08/12

みやび

26
大正から昭和にかけて書かれた怪談話を集めた短編集。どの作品も淡々と語られ、起こった原因や理由はボンヤリとしたまま、ふつと途切れるように話は終わる。冷んやりとして美しく、余計な表現がないため想像する余地が存分にあり、その余白がゾクゾクと静かに襲う怖さとなる。静かで上品で幻想的な恐怖…。そんな物語世界でした。「木曽の旅人」「西瓜」「白髪鬼」「妖婆」が印象的。「停車場の少女」は、少女の囁き声が耳元で聞こえて来そうでゾクッとする。好きな作家さんがまた一人増えた。2019/02/12

Yu。

20
怪談という曖昧な面と斜め上から見下ろす冷静な面という両極端な面を存分に愉しませてくれる著者の世界観にどっぷり浸かれる納得の13編。。どれもいいね‥しかも時代設定は江戸だけでなく、明治 大正 昭和に至るまで幅広い時代の怪談が楽しめます。で今回特に印象深かったのは、偶然かそれとも‥ スイカに纏わる奇妙で不思議で怖い怪異の繋がりに鼓動高鳴る『西瓜』。ただ現れるだけという謎の老婆の存在に振り回される人間の様に焦点を当てたコテコテの恐怖劇がたまらない『妖婆』。‥そうそう、謎多き『白髪鬼』について皆で語り合いたい。。2018/03/30

柊渚

19
「試験になると、髪の毛の白い女が試験会場に現れるんです」 淡々と、ぼんやり靄のように浮かび上がってくる怪異。最後のひと言に背筋が震えた。大正の末から昭和にかけて書かれた怪談集。どれも不気味な余韻を残してゆきながらも、ひんやり冷たくて、美しい。 岡本綺堂さん、すごく好みの方でした。まず文章の綺麗さにうっとり。そして理想のぞわぞわ感覚🥺✨ どのお話もぞくぞくしたのですが、一番びっくりしたのは、この作品たちが書かれた年代かも。最近書かれたよって言われても、わたしは信じます 笑2021/08/12

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