内容説明
「高名な評論家たちが愚問として封じていた問いを、直接この思想家に発してみた」と辺見庸が踏み出せば、「世界じゅうをとび歩いている冒険旅行家をつかまえて体験談を聞いている面白さ」と応える吉本隆明。毛沢東の私生活からオウム問題、性愛論、臨死体験、さらに人類史の課題まで―。思想界の巨人と行動する芥川賞作家が語りあう比類なき刺激に満ちた対論集。
目次
毛沢東
夜
女
身体と言語
著者等紹介
吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
詩人・思想家。1924年、東京・月島生まれ。東京工業大学卒。詩集『固有時との対話』『転位のための十篇』などで詩人として出発する一方、文学者の戦争責任論で論壇に登場。以降、言語論、思想論など人間の全幻想領域への原理的、歴史的な解明に向かう
辺見庸[ヘンミヨウ]
作家。1944年、宮城県石巻市生まれ。早稲田大学文学部卒。’70年、共同通信社に入社。’77年から二度にわたり通算6年間、北京特派員として活躍。’78年、中国報道により日本新聞協会賞を受賞。ハノイ支局長、編集委員などを経て’96年退社。同社在籍中の’91年、「自動起床装置」で芥川賞受賞、’94年には『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞、JTB紀行文学賞を受賞しベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumiha
22
古本まつりで見つけた対談集は、吉本隆明も辺見庸もタダ者ではないと思っていたので、迷うことなく購入。対談集なので読み易く、二人の世界観もちょこっと見える気がする(思い過ごし?)。ただ90年代の対談なので、若干ずれていると思う話題もあり、逆にこの20年ほどの社会の変化は激しいものだったのか、と思わさせる。今の時代を、この二人はどう読み解いてくれるのだろう。私にとって、『夜』の章が一番示唆に富んでいて興味深かった。どのチャンネルも同じ切り口の情報の扱い方に、いかに私が振り回されているか思い知らされた。→2015/08/21
椿 釦
6
高校生の時(思春期だからさ…)、なぜかこの本をバイブルと思って読んでいた。今読むと、あれーこんなこと言ってたか、とか、これ読んで理解してたのか?とか。古い本なので話題は古い。今、この二人が対談したら何と言うだろう?と妄想が止まらない。夜の思考(人間の業や悪の部分について)、身体性が無くなってきていると言っているけれど、今はもっと欠如しているかと。正しくないこと間違えたこと言うと今はもっと糾弾されちゃう。堅苦しい。戦争や中国については今読むと逆に新鮮。2018/06/06
在賀耕平
2
辺見庸の強引で乱暴な司会(?)がよい。それをよしよしと受け流す吉本隆明もいいな。おもしろい対談だった2011/02/28
i-O
1
おもろ2009/03/07
ピラックマ
1
下ネタ多め。吉本さんはやっぱり鉄壁。 アフリカ的段階についてと毛沢東の私生活とは読んでみる。2011/07/12