内容説明
戦前、北海道の雨竜ダム建設工事で亡くなった強制労働犠牲者の遺骨発掘に参加した神沼公一郎は、作業中に腐乱死体を発見。遺体はなんと神沼の元恋人で、東京で変死した葦原奈美のいたクラブ「銀馬車」の従業員・上月良彦だった!道警の星野と宮川は「銀馬車」の顧客リストを捜査、その中に、強制労働に関係し、奈美とも接点を持つ北海道政財界の大物三人の名を発見した!五十数年前の悪夢と現在を結ぶ忌まわしい過去とは?時間と空間を超えて投影された運命の非情を描く森村文学の真髄!作家生活三十五年の節目を迎えた著者が、その才のすべてをつぎ込んだ社会派推理渾身作。