感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
村上春巻
16
【A】※読んだ日不明の、備忘録的登録(購入→紛失)。1985年刊。ポストモダン、本当を言えば何も分かっていなかったのだろうが、私の世代の一部は背伸びして訳知り顔で論じていたことがただ懐かしい。蓮実さんや柄谷さんの存在を知ったのは本書だったろうか。この頃の光文社は攻めていたなぁ…
白義
13
「新人類」という言葉の生みの親でありその議論の学際性やレトリック過剰、胡散臭さ、メディア露出など最も通俗化された形でニューアカ的な議論を体現していた著者による、80年代思想総整理。極めてパフォーマティブな著作であり、蓮實重彦や浅田彰、渡部昇一などの論客の思想に真正面から取り組みながらも、全体に「思想家だからって偉そうにしてんじゃねえ」とばかりに思想界、インテリ界のせまいお約束、物語の拘束を身振り手振りでぶっ壊し、当時の思想の最前衛をも目指そうともくろんでいて、その徹底された軽薄さはあなどれない面白さである2017/07/30
☆☆☆☆☆☆☆
2
まぁたまに鋭いことも書いてるんだけど、内部と外部なるものを自明視してる時点で、彼が言うところのフランス現代思想はどうも理解できてなかったみたい。けっきょくニューアカってのは、「最先端」の理論を紹介する人たちと、わかったふりして他人を攻撃しながらハッタリで押し切る人たちの相互作用だったのだなぁと。まぁいい時代でした。2016/04/01
greenman
2
栗本慎一郎は80年代のニューアカブームに有名になった人物のひとりだが、彼の基本思想は「経済人類学」である。その点で他のニューアカと言われた人とは違う(年もだいぶ違う)が、現代思想をパフォーマンス化した点では変わらない。浅田彰とは対立しているように見られたが、実はお互いにパフォーマンスしあっていたのであり、ふたりともそのことは理解していたのだ。この鉄の処女は現代思想という下手をすると永遠と自己言及か脱構築に陥ってしまうところを思いっ切りぶった切っている点で快書だ。それ故に誤謬が混ざるのも著者も言っている。2013/08/09
羊男
0
★★★★1985/04/11