内容説明
釈尊は四十五年におよぶ教化活動を通じて、誰にでも理解できる、当時の民衆の日常語で教えを説いた。その教えは永い間、師から弟子へ口伝えに伝授されたが、やがて仏教が各地に広まるにつれて、それぞれの土地のことばに訳され、また文字によって書き記されるようになった。仏教の歴史は経典の伝播・翻訳の歴史でもある。そして、アジア各地に経典を伝え翻訳に従事したのは、身命を惜しまず正法を求め続けた求法者たちであった。
目次
1 経典の成立
2 経典の言語と文字
3 経典の流伝とその様相
4 大蔵経の書写と刊行