内容説明
製薬会社の社長令嬢・橋田久子は出雲伝説、中でも徐福に強い関心を持ち、白血病をおしながら綿密な研究を重ね『もう一つの邪馬台国』という著作を手掛けていた。だがこれまで取材に同道していた結城泰代にも秘密に一人で玉造温線の遺跡へと出向き、日本刀で惨殺されてしまう。捜査に乗り出した警察庁遊撃捜査係の宮之原昌之は『もう一つの邪馬台国』の原稿の存在と、久子殺害の陰に見え隠れする男を追うが、一向にその行方が掴めないでいた。そんな折、郷土史家の青砥が毒殺されたことで、宮之原は事件の輪郭をおぼろげに見出していくが…。