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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
℃
1
ラスコーの壁画にバタイユと関連づけた解釈の仕方は非常におもしろかった。この本を読むとやはりニーチェも読んでおいたほうがいいように感じた。2013/03/01
真魚
0
バタイユに関する論文、講義録をまとめた本。酒井氏が語るバタイユには独特のリリカルさが滲むのだが、私はそれがとても好きだ。己を滅びの直前まで押しやりながら希求する情熱の思想家、バタイユを追う氏の筆もまた確かな熱をはらんでいる。バタイユの自然論やラスコーの壁画に対する論文も読みごたえがあるが、氏がバタイユの墓を訪ねたりニーチェが永劫回帰思想に見舞われた森に行ったりする旅行記がとてもよい。無神論大全「ニーチェについて」についても沢山論じられているのだが、読み解かれてゆく晩年のニーチェの姿がやさしくて正直泣いた。2015/10/15
dilettante_k
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90~93年の雑誌掲載に書下ろしを加えたバタイユ関連の論考8本を収録。バタイユによるラスコー壁画とニーチェの「力」概念の解釈を中心に、旅行記や講演録、そして著者の留学時の師との邂逅など自らの体験を織り交ぜながら、バタイユ思想を読み解いていく。いわく、パトスの交流のために統一性を欠いたまま読者に投げ出された文章群。どこから手を付けるかバタイユ風に賭けてもよいが、『〈驚異のもの〉への対応―マンディアルグ、ブルトン、バタイユの場合』が3者の文学観、言語観を簡潔に対比しており、短いながら読ませる内容となっている。2013/12/08