出版社内容情報
標準理論から拡大標準理論を経て改訂拡大標準理論に発展していった生成文法理論が新局面を模索していた年月を画している四論文、及び序論を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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統辞論の自律性を主張しつつ意味解釈を検討する本書には、転換期を迎えた1973年から5年間の論文が収められる。格文法や生成意味論との批判的対話の中で、著者は変形生成文法における深層構造のブラックボックス(制約や条件は一次的言語資料に含まれない)の検討をもとに、各言語から普遍文法を導出する方向から普遍文法において各言語と向き合い、その制約と条件を修正する方向へとシフトする。指定主語、時制文、下接の各条件や痕跡理論に基づく意味解釈が論じられ、あらゆる言語から自律した制約や条件としての普遍文法からの探究が始まる。2017/05/21