出版社内容情報
一世紀前のイギリスの少年は、ジェントルマンとして尊敬されることが人生の目標であった。チョーサーの時代から第一次大戦まで、男たちを駆りたて悩ませた情熱のゆくえを追跡する。ジェントルマンとは、身分・能力・人格のすべての統合された理想的指導者像である。本書は、文学作品を主な素材にして、<人の上に立つ人>という規範が中世から近代にかけてどのように変化したかを階級とジェンダーの視点によって探る。
内容説明
本書は文学を主な素材とするが、ジェントルマンの理念を、「人の上に立つ人」の規範として捉えてたうえで、それが、不平等が当然の古代・中世の身分階層制社会から、平等が原則の近代にかけて、どのように変化したか、また変化せざるをえなかったかを、「階級」と「ジェンダー」の視点から批判的に探ろうとするものである。
目次
第1章 イングリッシュ・ジェントルマン序説
第2章 騎士の時代
第3章 ジェントルマン理念の形成
第4章 ジェントルマン理念の崩壊
第5章 そしてみなジェントルマンになった―平等化についての考察