出版社内容情報
プロイセン-ドイツの近代化の基本的問題意識(社会反動的類型かイギリス・フランス型か)に対し、系統的な検討を加えた習作。
プロイセン-ドイツの近代化に関する基本的問題意識(プロイセン-ドイツの近代化は社会反動的類型にすぎず、順調な近代化を実現したイギリス型あるいはフランス型とは鋭く峻別される対極にほかならぬ)に立ち、ドイツ近代社会形成史の無視すべからざる諸問題に即して系統的な検討を加えた試論的習作。
緒論 東エルベ農村社会史論覚書
──全篇の序論にかえて──
一 カークのグーツヘルシャフト論と研究課題
二 「黒海-バルト海地帯」の地域構成
三 ヴンダーの農村共同体論
前篇 ドイツ大土地所有の歴史的役割
──研究史・実証・問題提起──
問題
第一章 研究史整理
一 ヘスのフィデイコミス論
二 ドイツ農村社会史に関するベルリン国際学会の討議
三 補論
第二章 実証分析
──ザクセンのヴェンツェル家──
一 ヴェンツェル=ボルツェ両社の系譜
二 ヴェンツェルの「社会的給付」
三 ヴェンツェルの地域管理政策
四 ナチズムとヴェンツェル
五 結語
第三章 問題提起
一 東エルベ的心性と大土地所有
二 旧東独農業史研究の意義
三 ドイツ大土地所有の歴史的展開
後篇 ドイツ都市農村連続体の歴史的個性
──「都市史と農村史のあいだ」研究序説──
問題
第四章 ベルリン圏の都市化と農村社会の変容
──テルトウ郡の鉄道建設と世襲財産所領──
一 考察の対象と順序
二 鉄道建設と農村社会
三 世襲財産所領の経済構造とその変化
四 結びにかえて
第五章 ベルリン圏の都市化と近郊ゲマインデの自治
──世紀転換期テルトウ郡の実態に即して──
一 課題
二 都市化の進展とペンドラー層の生成
三 近郊ゲマインデにおける自治の諸相
四 結語
あとがき
参考文献
人名索引
目次
緒論 東エルベ農村社会史論覚書―全篇の序論にかえて
前篇 ドイツ大土地所有の歴史的役割―研究史・実証・問題提起(研究史整理;実証分析―ザクセンのヴェンツェル家;問題提起)
後篇 ドイツ都市農村連続体の歴史的個性―「都市史と農村史のあいだ」研究序説(ベルリン圏の都市化と農村社会の変容―テルトウ郡の鉄道建設と世襲財産所領;ベルリン圏の都市化と近郊ゲマインデの自治―世紀転換期テルトウ郡の実態に即して)
著者等紹介
加藤房雄[カトウフサオ]
1948年東京都に生まれる。1971年京都大学経済学部卒業。1976年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位修得。1991年京都大学博士(経済学)。広島大学大学院社会科学研究科教授
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