出版社内容情報
「人間とは何か」を21世紀にふさわしく考えるために。現象学的思考の限界を窮め、「他性」を凝視する現象学者の真撃な応答の試み。
20世紀後半、現象学はポスト構造主義の批判にさらされた。透明で安定的な自己同一性を脅かされ、現象学は他性=言語、他者、無意識を思考することを強いられた。しかしそれは同時に現象学の新たな可能性を拓くことでもあった。本書は『現象学の射程』『現象学の変貌』に続く三部作の完結編である。
関連書: 『現象学の射程』『現象学の変貌』(小社刊)
第一章 明証性と無起源性
1 現象学への尋問
2 ニーチェの警告
3 ポスト構造主義の問題提起
4 虚構的同一性と倫理的責任
第二章 他者と無意識
1 方法の問題
2 「無意識」への接近
3 他者の現象学的現在
4 作動態としての無意識
5 内なる他性と外なる他性
第三章 可逆性と不可逆性
1 目的論と内部存在論
2 裂開における肉
3 肉の外
4 肉と贈与
第四章 目的論と暴力論
1 発生と現出と根源的暴力
2 秩序と根源的暴力
あとがき
参考文献
内容説明
「人間とは何か」を21世紀にふさわしく考え直すために。「他性」を凝視し、思考の限界を窮める現象学者の真摯な応答。
目次
第1章 明証性と無起源性(現象学への尋問;ニーチェの警告 ほか)
第2章 他者と無意識(方法の問題;「無意識」への接近 ほか)
第3章 可逆性と不可逆性(目的論と内部存在論;裂開における肉 ほか)
第4章 目的論と暴力論(発生と現出と根源的暴力;秩序と根源的暴力)
著者等紹介
水野和久[ミズノカズヒサ]
1932年兵庫県に生まれる。1962年京都大学大学院博士課程(哲学専攻)満期退学。1969‐70年パリ大学(ソルボンヌ)留学。現在、関西福祉科学大学教授、神戸大学名誉教授
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