出版社内容情報
心身合一の基底から生きた具体的身体を一貫して把握することをめざす。現象学を駆使し,身体の様々な側面の記述から「行動の構造」へ到る。日本人哲学者の初の本格的身体論。
目次
第1章 現象としての身体
1 主体としての身体
2 客体としての身体
3 私にとっての私の対他身体
4 他者の身体
5 錯綜体としての身体
第2章 構造としての身体
1 はたらきとしての構造
2 向性的構造
3 志向的構造
4 身体の私性
5 自己と他者
6 構造の生成
7 精神としての身体
第3章 行動の構造
1 行動と生活世界
2 癒着的形態の行動
3 可能的生への展開
4 可動的形態の行動
5 シンボル的形態の行動
あとがき
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二階堂
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精神と身体を分けて考えるのではなく、身体としての精神、精神としての身体として生体を捉える試み。1、2章と3章5節〜は面白かったけれども、3章の始めの方が多少それ以外の部分とテイストが違うので読みにくかった。3章の結論に至るまで著者の進化論者的なところがちょっと鼻についた(これは私の思想の問題だが)。でも全体的には面白く読めた。 「脱中心化がすすむ場合には、われわれは精神的になる。私は自分を自由の中心と感じ、全人格的に充実した統一体として自己をとらえる。しかしきわめて精神的なはたらきとされている認識にして→2019/12/22