出版社内容情報
本書は，前著『マルクス主義の地平』に続けて，既成マルクス主義の近代主義への退行を批判し，弁証法，疎外論，国家論，歴史法則論等について詳論する。
目次
Ⅰ 弁証法における存在観と論理
第１章 マルクス主義的弁証法の理路
1 近代的合理主義を支える世界了解の構図
2 ヘーゲルの弁証法における三位の一体性
3 先験的観念論の地平とヘーゲルの弁証法
4 マルクス主義的弁証法の理路とその地平
第２章 上向法の存在論＝認識論的地平
1 上向法の方法論的問題性の鍵鑰
2 上向手続の存在論的背景の稜線
3 上向法的展開の論理構造の要諦
Ⅱ ヘーゲルとマルクスの連環
第３章 疎外論の論理をめぐる問題構制
第４章 ヘーゲルの社会思想とマルクス
1 三つの予備作業
2 類と個の問題性
3 社会概念の脈絡
4 市民社会の止揚
Ⅲ 国家―社会と歴史法則の存立
第５章 「市民社会―国家体制」への視角
第６章 歴史法則存立の問題論的構制
1 歴史における主体
2 自由と必然の問題
3 法則的支配の構制
4 生態系的社会編制
5 歴史法則と物象化
付論1 近代合理主義の歴史的相対化のために
付論2 全体主義的イデオロギーの陥穽
