出版社内容情報
【解説】
遺伝子は作り方を決めているが,形そのものは材料と場がひとりでにつくりあげる,という考えに基づいて多くの現象が理解できる。自己構築による生物の形づくりをやさしく解説し,そのためになぜ数理が必要かを説明。
【目次】
目次
序章 袋で行われる自己構築
第1章 自己構築の基盤(バクテリアコロニーが形成するパターン;自己構築する曲面―リポソームの場合 ほか)
第2章 袋の表面で起こること(細胞間接着・細胞間誘導による細胞の配置―トリの肢芽中胚葉細胞と魚類錐体細胞のパターン;上皮組織がつくる幾何学的細胞パターン ほか)
第4章 袋を越えて(樹形形成のメカニズムを枝の挙動にさぐる)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いすいむ
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8/10 「遺伝子は形の全てを決めていない。構成要素を適切なタイミングで供給し、それらが自己構築する場を提供している。」 また、セルオートマトンを用いた骨のリモデリングに関するモデルについて議論する際、「構造設計の観点からはローカル・グローバルなフィードバックが最適な構造を目指すために大事である一方、生体組織はシステムの簡便性と頑健性を満たすためにローカルな情報を利用することを選択した。」という話が印象深い。 たまにコラムで数式の導入があるが、現象の説明が主で数式的な理解の第一歩とするには難しい。2015/07/09