河出文庫<br> ぺてん師列伝―あるいは制服の研究

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河出文庫
ぺてん師列伝―あるいは制服の研究

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309401591
  • NDC分類 914.6

内容説明

ぺてん師の武器は嘘言と演技である。しかも彼らは出生、性、身分、住所など全ての面でアイデンティティを欠く不定形な存在である。彼らは体制に外にあり、ある日突如として、体制の象徴である制服を身にまとってその内側へと進入する。そして欲の皮のつっぱった紳士淑女を手玉にとり、混乱と哄笑を残して周辺の闇へと消え去っていく。―種村季弘の痛快エッセイ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

46
がらんどうな内側を悟られぬよう、ぺてん師は制服という名の鎧を纏う。本書が展開する意匠論も興味深かったが、やはり各人のエピソードに魅了された。様々な場面を切り抜ける強心臓に感嘆するも、綻びから破滅までは一息だ。出自はいずれも慎ましやかで止むに止まれぬ事情もあり言わば時代の申し子。富める者から掠め取る古き良き時代のぺてん師達はどこか憎めない。2016/10/04

CTC

5
86年河出文庫、初出は81年の青土社『ユリイカ』連載(同誌は現在もムック扱いで継続しているが…なんか映画評論誌みたいになっちゃってるのかな…)。ぺてん師にも色々種類があるのだろうが、本書が題材にしているのは近世欧州での制服・肩書の威力を活用した“なりすまし”詐欺といった事件。元々独軍では将校は貴族が務めるもので、1860年代まで将校の7割は貴族階級だった。50年後のWWⅠの頃でも3割という事で制服の威力は強かったのですね。東大で美術史から独文科に転科し光文社の編集者になったという著者の博識に驚いた。2019/04/24

さぶろうの領土

2
ドイツ文学者である著者が、ドイツで世間を騒がしたペテン師達を紹介した本。タイトルを見た時は広く浅く紹介している系の本かと思ったが、実際には当時の社会状況や、ペテン師たちの生活環境、経歴、事件の概要から手口まで事細かく紹介されている。副題に「あるいは制服の研究」とあるが ペテン師達は、本来の自分とは全く関係のない「制服」を身に纏って、相手をペテンにかけたのだった。その制服は、士官の軍服であったり、王族かと思わせるような煌びやかなドレスであったり時には「性別」であったりした。2022/10/23

猫風船

0
愉快愉快! 『ケペニックの大尉』事件、こういうの日本でも起こってくれないかなあ。タネラムネラ節絶好調ざんす。

0
Y-202006/07/23

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