神経疾患の診療 - ハンマーからゲノムまで

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神経疾患の診療 - ハンマーからゲノムまで

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  • サイズ B5判/ページ数 601p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784307101103
  • NDC分類 493.73
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》  本書の目的は副題「ハンマーからゲノムまで」が示す通り,「古典神経学」と「分子神経学」との二つの視点より,臨床神経学の今日的状況を明らかにし,始めて神経学を志す人に躊躇することなく,二十一世紀の医療に進み得る足場を提供することにある。
 その内容は主に四つの部分に構成されている。その一つは臨床神経学の根幹である「ベッドサイドの診察法」であり,古典神経学の土台というべき箇所である。
 次に各論的事項への橋渡しとして,中枢神経系の主要領域での「形態と機能」の今日的見解につき述べた。
 各論では分子神経学の立場より,原因が同じメカニズムに帰因すると考えられる疾患群をできるだけ同じ標題の下に集めた。個々の疾患の異同については遺伝子解析の結果を参照して分類した。    

《目次》
■外来での神経学的診察法
・はじめに-診察にのぞむ心がまえ
・診察前準備
診察室/診察道具-使用方法・目的-/カルテの記載法(チャートを含む)
・神経疾患の病型の把握
■ベッドサイドの神経学的診察法
・症状よりみた一般的診察法
患者の観察/意識障害/言語障害/頭蓋/頭痛/頸部/姿勢/歩行
・障害の種類よりみた個々の診察法
意識障害/書字機能障害/聴力障害/視機能障害-視力,視野,眼球運動,瞳孔について-/顔面筋の異常(III,V,VII)/顔面疼痛/めまい,眼振/軟口蓋,口蓋垂の運動・偏位・催吐反射,舌挺出,偏位・運動など/副神経支配領域および頸,肩,上腕部/四肢筋とその神経支配/筋力低下,筋萎縮/筋トーヌス/振戦/協調運動障害/反射系の検査/感覚系の検査
補助診断法
局在部位分類による補助診断/病因的立場による分類の補助診断/一般内科疾患に伴う神経症状の補助診断
■基礎的アプローチ -総論-
・脳の主要領域
視床/視床下部-下垂体系/小脳/高次中枢-一次性障害/高次中枢-大脳皮質の機能局在とその異常
・自律神経系
一次性自律神経疾患/全身症状をきたす自律神経障害/体温調節とその障害
・痛覚
疼痛の末梢性上行性伝達機構/下行性疼痛抑制路/内因性オピオイド様物質/薬物依存性の問題(麻薬,鎮痛,覚醒作用)
・睡眠-睡眠-覚醒サイクルおよびその障害
睡眠-覚醒のメカニズム/睡眠障害-臨床的事項-
■基礎的アプローチ -各論-
・三塩基反復病
動的突然変異/三塩基組合せの選択性/三塩基反復病の遺伝子産生蛋白/TNR未決定疾患群
・脱髄疾患
髄鞘遺伝子,脱髄のメカニズム/多発性硬化症および関連疾患/一次性髄鞘異常疾患群
・代謝性疾患
アミノ酸代謝異常/リシン代謝異常症/メチオニン代謝性異常症/尿素サイクル異常症/先天性プリン代謝異常症/アミノ酸能動輸送異常症,その他
・錐体外路症候群
運動減少症候群/運動過多症候群/ジストニア症候群/その他の不随意運動症
・脳血管障害
分類/疫学/病理/脳血管障害に基づく臨床所見/脳血管障害の薬物治療
・てんかん
てんかん発作の機序/疫学/臨床的特徴/てんかんの分子生物学的アプローチ/てんかん発作の治療
・炎症性疾患
細菌性感染症/ウイルス感染症
・末梢神経障害
末梢神経の主な構造とその役割/末梢神経障害の好発部位とその代表的疾患/病理所見/ニューロパチーの種類
・脊髄小脳失調症
-古典的臨床理解を中心として脊髄症状を主とし,末梢神経・脳幹部症状のあるもの/小脳症状を主とし,脊髄・脳幹部症状のあるもの/小脳・脳幹部症状を主とし,多様の臨床症状の加わるもの/周期性小脳失調症/遺伝性優性小脳失調症の遺伝解析
・運動ニューロン疾患
上位ニューロン疾患/下位ニューロン疾患/上位・下位運動ニューロン合併障害/運動ニューロン疾患の治療
・酸化的リン酸化異常症:ミトコンドリア病
ミトコンドリアの機能/ミトコンドリアDNA/酸化的リン酸化異常に基づく疾患
・リソソーム病
リソソームの生成およびその推移/脂質蓄積症/ムコ多糖類蓄積症/ムコリピドーシス/糖蛋白質異常症
・ペルオキシゾーム異常症
ツェルベーガー症候群/新生児型副腎白質ジストロフィー/乳幼児型レフサム病/過ピペコリン酸血症/ペルオキシゾーム異常症の病因遺伝子
・筋疾患
筋ジストロフィー/先天性ミオパチー/膜性ミオパチー;筋イオンチャネル病/炎症性ミオパチー/代謝性ミオパチー/神経・筋接合部異常症