出版社内容情報
『万葉集』は歴史資料としてどこまで読めるか。
虚構・仮想世界とされる文学作品も見方、扱い方で見えなかった世界が見えてくる。どこが文学的創作で、どこまでが事実として歴史学的に捉えられるか。実態に即して具体的な資料として腑分けを行う。古代社会の実相と、万葉集の時代の社会の動きを捉えた意欲的な試み。
■万葉歌の背景
葛城と『万葉集』
呪われた釣針
散りいそぐ恋人たち
魂の色とかたち
揺れる領巾
倭姫王をめぐる二つの謎
藤原鎌足像はどのように作られたのか
大和三山と藤原京
持統女帝の吉野行幸の狙い
長屋王の無実はいつわかったのか
万葉歌の魅力を探るー歴史からの名歌鑑賞
吉士火麻呂の母
だれが挽歌を詠んだのか
■万葉集の時代
蘇我氏の仏教入策の狙い
東国国司は何を目にしていたのか
大化新政府の財政基盤
近江京址は見つかるのか
天皇号の成立が物語る気概ム飛鳥池工房遺跡出土木簡
七世紀史と『古事記』
大藤原京は何を語りかけているか
阿部内親王の立太子
紫香楽宮はどこにあったか
四字年号の採用とその経緯
加賀郡膀示木簡の威力
■付録
今日は三角神獣鏡の日?
史料の価値には順がある
図書・情報室のジレンマ
内容説明
虚構・仮想世界とされる文学作品も、見方、扱い方で見えなかった世界が見えてくる。どこが文学的創作で、どこまでが事実として歴史学的に捉えられるか。実態に即して具体的な資料として腑分けを行う。古代社会の実相と、万葉集の時代の社会の動きを捉えた意欲的な試み。
目次
万葉歌の背景(葛城と『万葉集』;呪われた釣針;散りいそぐ恋人たち ほか)
万葉集の時代(蘇我氏の仏教導入策の狙い;東国国司は何を目にしていたのか;大化新政府の財政基盤 ほか)
付録(今日は三角縁神獣鏡の日?;史料の価値には順がある;図書・情報室のジレンマ)
著者等紹介
松尾光[マツオヒカル]
1948年、東京生まれ。学習院大学文学部史学科卒業後、学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻修士課程満期退学。博士(史学)。神奈川学園中学高等学校教諭・高岡市万葉歴史館主任研究員・姫路文学館学芸課長・奈良県万葉文化振興財団万葉古代学研究所副所長をへて、現在、鶴見大学文学部・早稲田大学商学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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