感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
14
京都市美術館の写楽の話が面白かったので、こちらも読んでみた。写楽別人説が成り立たないことが前提で、針の穴を通すように、写楽が誰だったのかを組み立てていく面白さ。与えられた情報だけで、これだけの説を作れるんだなぁ。トンデモ説がすたれないのは、自分だけが知っていると思うことで、周りより優位に立ちたいという気持ちがあるからなのか。説としては、最後の「浮世絵師の遊戯」が、これだけ言われても信じちゃいそうになるくらい好きです2020/07/24
ちゃも
11
よき。なかなか楽しい。2018/06/24
ロックイ
7
本能寺遊戯の歴女三人組、正統派歴史好きヒメ、戦国武将好きで新説大好きアサ、日本のサブカルチャーに惚れ込んだ交換留学生のナスチャがまたまた歴史の謎に挑んだ歴史ミステリー。今回は一冊丸々東洲斎写楽の謎解き。出るわ、出るわ新説の嵐。邪馬台国の新説まで書かれており、少々…否、かなり食傷気味なのはご愛嬌(笑)写楽と言えば謎が多い浮世絵界でも特に謎多き人物。しかしここまで多くの説があったとは!驚きでした。北斎&お栄説が個人的には好きですが、惹き込まれたのはやはり歴女三人組のタイトルにもなった「浮世絵師の遊戯」ですね。2017/01/14
8番らーめんR
6
今度のテーマは写楽。定説以外に別人説が山ほど出てくる深層や新説をいかにしてひねり出すかといういつもの高井氏らしい変化球歴史ミステリ。別人説およびそれを唱える輩をけなす一方でぬけぬけと新説を出してくる展開に口あんぐり。特にクルトの「SHARAKU」を検証したうえでの斜め上の説をくり出す技に堪能しました。(いい意味でひどい?)2016/12/31
紫
6
歴史の謎解きの作り方。八切止夫×木村鷹太郎×小谷部全一郎! トンデモ歴史家三大巨頭の頂上対決を含む写楽ネタオンリーの全四編。登場人物の誰一人として本気で歴史の謎とは考えていない中で展開する謎解きアイデア競争。写楽の新説はこうやって作っています、という実例集みたいなノリであります。いろいろツッコミどころはあるものの、世界三大肖像画家(ベラスケス、レンブラント、写楽)は写楽に箔をつけたい日本人の捏造だから信用するなときちんと書いてある写楽本はあまりないのでけっこう希少で貴重。3冊程度しか見たことない。星5つ。2016/11/18