内容説明
2021年春、世界は、依然として大動乱の嵐に翻弄されていた。台風の目となっているのは、イラク北部の砂漠地帯に、忽然と出現した幻の「イスラム国」である。こうした状況下、これまでイスラム世界とは、宗教的にあまり縁がない、中立的だった日本も、イスラム大動乱の外にいることが出来なかった。国連平和執行軍PKFとして対イスラム国戦争のためイラク派遣PKF部隊空自303は、空自F‐2改でイラク空爆に向かったが、高射砲弾で撃墜さる。一方、非武装緩衝地帯で、国連平和維持軍として停戦監視中の陸自部隊がタリバン部隊と戦闘を開始した時、謎の無人機が飛来する。敵襲か―!?
著者等紹介
森詠[モリエイ]
作家・中東問題研究家。東京外国語大学(国際専修課程)卒。ジャーナリストとして、中東アラブやアフリカを訪れパレスチナ問題や資源問題、レバノン内線、イスラム革命、クルド問題などを取材して回った。小説としては『燃える波涛』(日本冒険小説協会大賞)など冒険小説、近未来シミュレーション小説がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
9
★★★☆☆。うーん。何々だろうな、この作品は。読みやすさは抜群なのだが、物凄い数の登場人物の「序章」がひたすら書かれている。笑。当然、誰が主人公なのかさっぱり分からないし、ストーリーの大枠も掴めなかった。笑。随分、タイムリーなタイトルだなと思ったら99年に一度刊行したものを書き直したのですね。読み終わった後、その事に気付き「嗚呼、自分は釣られたのだな。」と思いました。決してつまらなくはなかったのですが、そんなに面白くもありませんでした。笑。次は、……ないかな。笑。2015/02/27
Kenichi Uto
1
先日起きたISIL(作中ではイスラム国になっていますが、いろいろと問題が多いので)による拉致殺害事件。この作品はもとは1999年に10年後を見据えて書かれたものですが、現在の情勢に置き換えて今から6年後の出来事に書き直してあります。この作品では憲法9条はすでに改正されれているようで交戦しています。先日の事件のことを考えると近い将来この小説の話が現実化するかもしれません。(そうあってはほしくないですが)ISILのことを知るにはいい本かもしれません。2015/02/14