内容説明
本書は1920年代に再建された国際金本位制が瓦解し、変動相場制に律せられることになる1930年代の国際通貨体制における英国の為替政策の実態を解明しようとするものである。当時、英国中央銀行、大蔵省が金本位制離脱に追い込まれた基軸通貨ポンドの信認をいかなるかたちで保持しようとしたのか、その政策的意義と限界を明らかにすることになる。
目次
第1編 ポンド・フロート体制の成立(金本位制停止後のポンド信認回復;1932年春のポンドの急騰傾向 ほか)
第2編 ドル切り下げによる英米仏間の通貨調整(国際通貨不安によるポンド上昇傾向(1933年1‐3月初旬)
米国の金本位制離脱(1933年初旬‐3月) ほか)
第3編 フラン切り下げによる三国通貨間の調整(1935年のフラン危機;フラン防衛の破綻 ほか)
第4編 ポンド・フロート体制の瓦解(英米両通貨の切り下げ不安(1938年前半)
ポンド下落圧力の持続(1938年8月‐39年2月) ほか)