内容説明
サルトル思想の全体性を問う!甦える相互性のユマニスムの呼びかけ。暴力の地獄的循環のうちに溺れこみつつある現代、「受難した子供」・「暴力」・「想像的人間」という三つのキーワードをとおしてサルトルをわれわれの今とここに復権させる渾身の試み。
目次
第1部 暴力の肖像―序にかえて
第2部 「受難した子供」の眼差しとサルトル(少年イヴァンに寄せて;失楽園的経験;反自然・悪・審美者―「想像的人間」のコスモロジー;「想像的人間」の存在論―『存在と無』への批判的回顧;実存と暴力;「幸福な子供」と「受難した子供」の弁証法―サルトルにおける「母」の問題;相互性のユマニスム)
第3部 ドストエフスキーにおける「受難した子供」の視線―ベンヤミンにも寄せて