戦時児童文学論―小川未明、浜田広介、坪田譲治に沿って

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  • サイズ B6判/ページ数 355,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784272520831
  • NDC分類 909.021
  • Cコード C0021

出版社内容情報

総力戦体制の元「児童読物改善に関する指示要項」が出され、子ども向けの戦争美談集や銃後美談集が続々と出版された。伝統的児童文学の三大作家の作品に沿って、豊富な資料をもとに検証し、国体原理主義の復興に警鐘を鳴らす。

内容説明

戦後、抹消された戦争翼賛童話を、伝統的児童文学の三大作家の作品に沿って、豊富な資料をもとに検証する。

目次

第1章 未明・広介の登場まで
第2章 昭和戦前期の児童文学
第3章 国家総動員法下の統制
第4章 軍国児童書の増加
第5章 国民学校体制への呼応
第6章 未明、戦時下の航跡
第7章 広介・戦時下の航跡
第8章 譲治・戦時下の航跡

著者等紹介

山中恒[ヤマナカヒサシ]
1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。1990年『赤毛のポチ』で日本児童文学者協会新人賞、1974年『三人泣きばやし』で第21回産経児童出版文化賞、1978年『山中恒児童よみもの選集』で第1回巌谷小波文芸賞、1993年『とんでろじいちゃん』で第31回野間児童文芸賞、2003年第38回エクソンモービル児童文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

笠井康平

2
たとえどれだけ気が進まなくても、強いて書かなければならないこと、例えば戦争、無駄死にの美化、国粋主義称揚を、3人の児童文学作家がどう扱ってきたのか、詳細に書いてある。戦争協力を批難する著者の論調はとても鋭くて、3作家の作風や立場、着想のちがいがよくわかる一冊にもなってる。2011/08/04

midnightbluesky

1
戦後、児童文学を牽引してきた大御所の変節ぶりを舌鋒鋭く総括している。簡単に調べてみると、児童文学のほのぼのとした印象に反して、学閥や思想闘争で覇権を争いをする児童文学って一体?と思わずにはいられない。戦意高揚や死を持って喜びとすることを奨励することが、果たして児童文学と言えるのかどうか?という大きな問題提起。2011/11/07

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