ポストモダン叢書<br> カフカ論―「掟の門前」をめぐって

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ポストモダン叢書
カフカ論―「掟の門前」をめぐって

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  • サイズ B6判/ページ数 100p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784255860152
  • NDC分類 940.28

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿呆った(旧・ことうら)

20
■仏・現代思想の大御所・デリダ先生によるカフカ論。■とりあえずわかったことは、カフカ作品『掟の門前』は、『物語への<接近不可能性>』『入門の許可が限りなく遅延されることで、物語が存続する<差延作用>』で成り立っているということ。■むか〜し、デリダの勉強少しやってたけど、やばい、何言ってるのかさっぱり?わからない!■カントの定言命法や、フロイトとハイデガーについてもかなり詳しく知らないと、「ふんふん、なるほど」って理解できないと思う。2017/02/26

燃えつきた棒

11
カフカの小説の中で最も印象深いエピソードである「掟の門前」を巡るデリダの考察。 哲学からはだいぶご無沙汰しているので、デリダの言うことはあまりピンと来なかったが、読んでいるうちに「城」を思い出した。 そういえば、「城」も技師Kが城の門前を堂々巡りする話だったなあ。なんだか「城」が「掟の門前」を小説的に肉付けした話に見えてきた。 2015/07/02

ちあき

5
東京での講演原稿を書籍化した論考。ぼくはデリダのよい読者ではないし、この本が脱構築批評の典型例といえるのかどうかもわからない。しかし、理論を強引にあてがったお手軽なものでないことはわかったし、ひとつの読解として非常におもしろく読んだ。独自の用語も「掟の門前」というテクストに迫っていくためのツールとして使われている印象で、難解さはさほど感じなかった(必要とされる予備知識はむしろフロイトの『トーテムとタブー』に関するもののように思われた)。アプローチのことなるドゥルーズ=ガタリのカフカ論もぜひ読んでみたい。2011/04/18

アブーカマル

4
はじめて読むデリダ。テキストへの信仰ともいうべき慣習=約束事は自然法のように思われているが歴史的に醸成されてきた実定法なのだとデリダは言う。カントの道徳律やフロイトのトーテムのタブーを導入へ持ってきて、論を縦横無尽に展開していく。ピエール・ルジャンドルと共鳴する部分がかなりあり実に興味深い。たとえば2017/09/30

3J28

0
デリダの思考のエッセンスがつまった、鮮やかな小論だと思った。「掟が絶対的権威を付与されるには、掟は歴史も起源ももってはならず、派生関係が可能であってはならない」(26)。真理の永遠性=無‐時間性ともよく似ている。掟の起源を探るとき、それはもっと前だ、もっと前だ……と無限に繰り延べられるのであろう。それはつまり、「かつて現在であったことのない過去」(100)、空箱の起源である。原初的な「呼びかけ」についても、アルチュセールとの関連で考えてみたい。つねに、すでにある掟。2023/09/21

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