カイト―パレスチナの風に希望をのせて

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  • サイズ A5判/ページ数 94p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784251073020
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

内容説明

パレスチナの地にやってきたイギリスの映像記者マックス。彼は、丘の上のオリーブの古木の下で一心に凧をつくっているヒツジ飼いの少年サイードと出会い、友だちになる。サイードは2年前におきた事件以来、しゃべる事ができない。その事件とは…。パレスチナの空に舞う凧。自分でつくった凧をあげつづける少年サイードの夢とは?パレスチナの悲劇と希望をえがいた美しい物語。

著者等紹介

モーパーゴ,マイケル[モーパーゴ,マイケル][Morpurgo,Michael]
イギリスの児童文学作家。イギリスでウィットブレッド賞、スマーティーズ賞チルドレンズ・ブック賞など数々の文学賞に輝いている

カーリン,ローラ[カーリン,ローラ][Carlin,Laura]
イギリスのイラストレーター。絵本、雑誌のイラストを中心に、商業デザインでも活躍し、クェンティン・ブレイク賞から始まって、ナショナル・マガジン賞、ユニクロ・ファッション・イラストレーション賞まで、幅広い分野で数々の賞を受賞。現在ブレイクが提唱する世界初のイラストレーション・ギャラリー設立の準備委員にも名を連ねている

杉田七重[スギタナナエ]
東京生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

87
お気に入りの方がモーパーゴ好きと書かれているのを見て、読んでみたいと思っていた本。著者の作品は以前『だれにも話さなかった祖父のこと』を読み、その印象に加え、副題の「パレスチナの風に希望をのせて」からも、きっと素晴らしい物語だろうと思いながら読んだ。そんな過度な期待を軽々上回る程、圧倒的な感動、比類なき傑作だった。カイトに託す夢を優しく温かな眼差しで描きながらも、余りに過酷な現実が其処此処に垣間見える、誠実な物語。そのまま終わるかと思いきや、涙が止まらないラスト。夢を現実に引き寄せていったい何が悪いだろう。2021/09/17

マリリン

42
知ってる?マフムード。ミスター・マックスみえるでしょ? ねえ、マフムード! これが見えるかい? たくさんのカイトがとんでるよ!4日間の日記に凝縮されたサイードの、目の前で撃たれ死んだ兄 マフムードに対する想い。壁の向こうにいる入植者の少女への想いと、アラブ人とユダヤ人を隔てた占領件軍が造った壁。二年前のあの日からどんどんのばされた壁。それでも壁の向こう側にサラームと書かれたカイトを「マフムードとサイード」と書いたカイトを飛ばし続ける。マフムード、聞こえる? これが見えるかい? 想いが壁を越えて…。 2021/10/26

棕櫚木庵

27
憎悪と恐怖の連鎖.イスラエルの兵士は怖くて撃ったのだろう.ちょうど『あなたがくれた憎しみ』(A.トーマス)の白人警官が黒人少年を撃ったときように.この連鎖の責めを当事者だけに負わせるのは酷である.しかし,連鎖を断ち切る夢を見ることはできる.この物語の結末も一つの夢なのかもしれない.しかし,夢見ることだけが,憎悪と恐怖の連鎖を断ち切る方へと人を向かわせる.如何に無力のように思えても,夢を見続けること.▼小学生に読み聞かせしたい物語だけど,最後の凧揚げで泣いてしまいそう(^^;).→2021/10/22

とよぽん

24
モーパーゴの本だが、レビューが意外に少なくて残念。イスラエルとヨルダン川西岸地区の間に分離壁を作って、敵対し合って100年。親や兄弟が殺され、子供たちは深く傷ついている。この壁の向こう側にカイトを揚げて飛ばす少年サイード、彼と出会ったBBC特派員のマックス。壁の向こう側の、青いスカーフの少女と心を通わせた奇跡のようなラストがよかった。皆、平和を求めているのに・・・。原題は「THE KITES ARE FLYING!」2019/06/25

ベル@bell-zou

22
表紙をめくると壁。そしてパレスチナ周辺の地図。ニュースでよく見かけるそれはテレビ画面だと大きいけれどもう少しだけ広域の地図をみてみると…狭い。こんな狭まった地域で今、毎日、毎日…と、物語を読み始める前から心が塞ぎそうになったけれど。イギリス人記者マックスが出会った少年・サイード。彼は話しかける。大好きな兄・マフムードに。彼はカイトを風に乗せる、壁の向こうまで。向こうにいる青いスカーフの少女に届くように。隔てられてはいても心は、思いは、どこへだって飛んでいけるはずだから。2024/01/23

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