• ポイントキャンペーン

徳間文庫
イッタイゼンタイ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198941383
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

曇り空の下、男と女の「なおし合い」が始まる。破壊と再生の連鎖の果てにあるものは何か。人気作家が紡ぐ現代の寓話。とにかくなおしたい。無差別に徹底的に。「修繕衝動」に襲われた「なおし屋」と呼ばれる男たちは、「第二次世界修繕」以来の戦いを開始した。そんな彼らに怪しい影が忍び寄る。「オオモノ」が組織した十人の女たちだ。ものを「つくる」彼女たちにとって、男たちの修繕行為は大量殺戮に等しい。ものが売れなくなり仕事を失うからだ。女たちは驚きの策で対抗するーー。前代未聞の戦争の行方は!?

吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている。おもな小説作品に『つむじ風食堂の夜』『空ばかり見ていた』『針がとぶ』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『小さな男*静かな声』『なにごともなく、晴天。』『電氣ホテル』『ソラシド』『電球交換士の憂鬱』『台所のラジオ』などがある。

内容説明

とにかくなおしたい。無差別に徹底的に。「修繕衝動」に襲われた「なおし屋」と呼ばれる男たちは、「第二次世界修繕」以来の戦いを開始した。そんな彼らに怪しい影が忍び寄る。「オオモノ」が組織した十人の女たちだ。ものを「つくる」彼女たちにとって、男たちの修繕行動は大量殺戮に等しい。ものが売れなくなり仕事を失うからだ。女たちは驚きの策で対抗する。未曾有の戦争の行方は!?

著者等紹介

吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京都生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kana

40
恐らく平成最後の読了。この世界でつくりなおしこわす男女の戦いと自然淘汰とを不穏な筆致で紡ぎ出す吉田ワールド全開のブラックユーモア溢るる本作は、今の時代の気配に大変似つかわしい。そして本筋はさておき、なおし屋の男たちの思考を書き連ねる特に前半の章のレトリックが秀逸で魅了される。例えばバイオリンをなおす彼はいいます。《バイオリンというのはじつに繊細でこわれやすい武器である。(略)その戦いはヒットソングのように三分では済まされず、数十分にわたる交響曲の唸りの中で正確に音符の連なりを撃ち落としてゆかねばならない》2019/04/29

niisun

22
吉田さんの作品は本屋に行く度に気になるものの、いつも、手に取るところまで。ようやく初読みです。前半の『イッタイ』と後半の『ゼンタイ』の二部構成。後半は作者の即興で物語の行く末も定めぬまま、筆の勢いに任せて書いたというだけあって、今一つ読みづらい印象を受けました。前半は群像劇から何かが起きる予感を滲ませた面白い仕上がりな気がします。特に『パスカルのヨシアシ』は秀逸で、難しく考えても、単純に考えても、行き着く結論は似たようなもので、意外と真意をついているという、物語全体を語っているようでもあって良かったです!2016/12/31

Eee

15
モノをなおすおとこたち モノをつくるおんなたち 男を守るためかはたまた男を貶めるためか 女のキモチは誰にもわからない 最後に残ったのは1人の男 どんどん吉田さんの世界に引き込まれていきました2017/09/23

まひと

11
イッタイゼンタイどういうことなのか。不思議な話すぎて頭が混乱した。とにかくなおしたい、修理したい、という「修繕衝動」に襲われた男たちと、「つくる」女たちとの戦いの物語。この物語での「なおす」は「殺す」と同じ意味であるらしい、となれば男たちの「修繕衝動」はとてもやばいし迷惑極まりない。男たちに何もかも修繕されてしまうから新しく作る女たちの仕事は減り、それこそ殺されるに等しい。それを食い止める方法とは。吉田さんらしい個性的なキャラクターたちが良かった。悪魔のケーキ、とっても気になる。絶対に食べてみたい。2020/07/27

umico

6
吉田さんの小説は読んでも読んでも湧いてくる…全巻読んだ!と言いたくて読んでるようなところあり。「仕事ってのは、自分の得意なことをやって、苦手なことは誰かにやってもらうってことだ。」が響きました。吉田さんの描く物語のなかではかなり現実世界のメタファーを意識して書かれているなぁという印象。男とか女とか矢鱈と言うのは好きではないし、なんか最後結局みんな恋愛的なものに絡め取られるのは納得し難いまとめ方で、私的吉田篤弘ランキングは下位だけど、この不思議な世界観はやはり好き。2021/12/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11094884
  • ご注意事項