内容説明
“人間天皇”の親政下、「富国強兵」を合言葉に、世界列強の仲間入りを目指す日本。西洋に規範を見出そうとする政府首脳。しかし朝鮮を巡る清国、ロシアとの確執から、一挙に戦争へと突っ走る情勢下、広島大本営において苦悩する明治天皇が下した英断。維新の英雄から賊徒となった西郷隆盛への思いや、米国グラント将軍との親交などを織り交ぜながら、六十一歳の波瀾の生涯を生き抜いた明治天皇の実像―。
目次
第8章 “人間天皇”の明治親政
第9章 “日本のビスマルク”を目指した大久保利通
第10章 西南戦争終わる―ひたすら西郷をしのぶ明治天皇
第11章 新しい“国造り”のための大いなる陣痛
第12章 天皇の“心友”グラント将軍
第13章 ドイツ帰りの伊藤が断行した“大改革”
第14章 日清戦争―広島大本営の明治天皇
第15章 日露戦争―人間天皇にとっての寒くつらい冬
終章 大帝崩御―偉大なる精神「明治」の死
著者等紹介
童門冬二[ドウモンフユジ]
1927年、東京都生まれ
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感想・レビュー
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糜竺(びじく)
20
文体は極めて評伝に近い小説です。下巻は、京都から東京に首都がかわって、明治新政府の動きが始まった時から、天皇が亡くなるまでの時代が描かれています。明治天皇が主人公の作品ですが、どちらかといったら、明治時代の日本の歴史が書かれているという感じです。西南戦争で戦った西郷隆盛への気遣いや、元アメリカ大統領グラント将軍との友としての出会い、大日本帝国憲法の発布、日清、日露戦争など色々な出来事が書かれていました。ホント凄い時代を明治天皇は生き抜かれたんだなと学ばされました。2013/10/09
まさ
0
幕末はとても興味がある時代なので、面白かったです。2014/07/02