内容説明
宝永二年、春先から奇妙な熱風が吹き始めた。伊勢神宮への大量群参である。奉公人の小僧たちがことわりもなく二人三人と連れだって出立するのである。東海道は子供で溢れていた。その群れの中に大黒屋の奉公人・丹五郎らがいた。彼らは、二代目“影”から届けられた家康より拝領の火呼鈴を過って身につけたままであった。この「熱風」に裏があるとあたりをつけた総兵衛は、丹五郎らを追って自ら東海道を奔る。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表
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感想・レビュー
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藤枝梅安
4
江戸の町人が熱に浮かされたように伊勢神宮への抜け参りが流行する。伊勢参りの帰途の混乱を見越した柳沢吉保の陰謀と見た総兵衛らは、大黒屋の小僧3人を追って伊勢に向かう。これまでとは少し雰囲気の違うストーリー。総兵衛に敗れて姿を消した女剣士・深沢美雪が再び姿を現す。吉原(現在の富士市)から清水に向かう船が「相模灘を走っていた」というちょっといただけないミスがある。2010/08/03
昌子♪♪
1
栄吉に振り回された敵味方!?それにしても・・・最後の言葉が嗚呼!哀れで切ない。。。2019/03/31
mikage
1
お伊勢様抜け参りが題材。まさかそういうオチだったとは…。まぁ、時代劇だもの。それもあり。2009/01/13
阿南
0
いつもと違う雰囲気。結局、栄吉は何に取り付かれていたのだろう? 敵も味方も振り回されっぱなしなのは面白かったが。2016/04/13
サイモン
0
なぜか(5)から読んでしまいましたが、続きものの様です!1から読んでみようかな。2013/01/17