内容説明
青山の洋書専門店に勤める木部比呂子は、デートのために借りたマンションで愛人を待っていた夜、真上の部屋で女の悲鳴を聞いた。翌日、その部屋から、赤いマニキュアを塗られた女性の死体が発見され、被害者の恋人が逮捕された。だが比呂子が悲鳴を聞いたのは彼が帰った後だった。無実を証明できるのは自分だけ―そう思いながらも、比呂子は不倫の関係が表沙汰になるのを恐れ、口を閉ざしていたが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
26
ミスリードを誘うテクニック、心理描写を重ねることで浮き上がってくる人物像、どちらものちの作品に通じるものがあり、面白かった。以前読んだことあったような・・・と首をひねりながらの読書だったのに、同じところで騙されてしまいました。2014/08/29
✽花鳥鳳蘭✽
5
【何度目かの再読】女流作家に目覚めたきっかけがこの一冊でした。何年も間が空いての再読で犯人やところどころ覚えていても忘れていることが多く新鮮でした。全体的にまとまっていてサスペンスの様で恋愛小説でもある。小池調の綺麗な表現と硝子のような言葉で鮮やかに斬っています。全ての人が怪しい。ラストはもうドキドキで肩に力が!思いもよらぬ犯人の不気味さと主人公の交差する思いとショックは計り知れない。久々に読んでやっぱり小池氏の表現の美しさ構成は素晴らしい。2019/02/12
サワコ
2
89年頃の作品だし、よくあるミステリーなんだろうな、なんて甘い考えで読み始めた自分を反省。華やかさや優雅さを常に漂わせながら、日常に潜む異常がジワリジワリと滲み出て来る流れに引き込まれました。あ!この人が犯人かも!と勘など働かせたものの、え?あれ?誰?と混沌とし、最終的に、そうか〜…そうだったんだ…と納得。その流れに不自然さが全くなく、とても面白かったです。さすがは小池真理子さん!2016/03/25
yochi
1
いや。さすがです。大好きな小池先生。 面白かったです。バスルームで息を殺すシーンは恐怖に震えました。意外な人物が犯人でしたが、鏡一郎でなくてほんとによかった。。。 2017/11/16
もりもり
1
おー怖かった・・・ バスルームのシーンが怖すぎて泣きそうでした。 でも犯人・・・当たっちゃってびっくりです。