内容説明
本書は、名作への“お断りの弁”を集めた画期的な本。
目次
不採用通知を出した出版社および雑誌名
名作への「お断り状」ハイライト集―パール・バックの『大地』もメルヴィルの『白鯨』も…
名作への「お断り状」オン・パレード―J.R.アッカリーからイエイツまで
断られて育った古今の文豪たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまご
18
ノーベル賞作家もあの名作も,出版お断りをくらっているのですねえ.「英語に翻訳するのは不可能」「陰気すぎる」「目もあてられない」から,編集者のセンスもでてくる「暗号は大好きだが,詩集と一緒に暗号解読票を送ってもらうわけにはいかない」「船竿の先で触れるのもごめんだ」などなど…,かなり笑える.後世から見ればこの作品・作家になんてことを!と思いますが,これを受けて推敲された作品もあるのだろうなあ.面白かったのは,英文学が米国に(逆もしかり)そのまま受け入れられるわけではないというところ.国民性…?2020/08/09
barcarola
7
悪趣味といえなくもないが、興味深く、面白く読ませてもらった。時代もあったのだろうし、もちろん編集者の趣味もあったのだろう。中には名文と思えるものも。そういえば音楽の世界でも同じような話はありますよね。2022/06/26
いのふみ
6
これらの感想、あながち外れてなかったりする。出版社は多忙なうえ、上梓して赤字を出せないという事情もあるし、これらの批評を受け入れてから作家は始まるとも言えるし。2019/04/17
はやしま
3
あんな名作もあの大作家も受け取っていた「お断り」の手紙集。編集者側は、そっけないものから遠回しに相手を傷つけないように自分にも落ち度がないように書いているものまで様々、それらを受けた作家の態度も様々で、文学史上の人間模様をみるのに面白い一冊。出版社や編集者の名前はないが、知られていたらビートルズをオーディションで落としたデッカ・レコードのように、別の意味で名前が残るのにーやっぱり不名誉かな(笑)。日本でも同様の書籍はないだろうか。日本文学史の人間模様もみてみたい(コメント欄に続く)。2015/04/07
トーマス
2
ベストセラー作家たちが受け取ったお断りの手紙の数々。よくもまあ、こんなこと言えるわいなという文章。そして作者のうらみつらみ。30年くらい前の本なので、知らない作家も多いが、パールバックやディケンズ、ドイルやロレンスといった名作家文豪たちも名を連ねる。 学ぶべきことはふたつ。ひとつ、人に批判されても自分のそれは世の中に受け入れないとは限らない。ふたつ、自分が評価できないことも世間が良しとすることはおおい。2018/01/19