内容説明
猛吹雪のなか、嵩山という標高三百二十五メートルくらいの山で洞窟に逃げ込もうとしたハーンは視界が利かない為、距離感に頼って一歩、一歩カウントをしながら下山を始めた。が、あったはずの位置に来ても洞窟は見当たらない。登山道を外れて、そろそろと斜面に近づいていった。そのとき。凄まじい突風に吹き上げられて、斜面を転がり落ちた。目の前が真っ暗になった。夢を見たのか、白装束を身につけた一人の女が近くにいた。ニューヨークを発って、カナダ・ヴァンクーバー経由で横浜に上陸してわずか五ヶ月後、思いがけぬ巡り合わせで松江に暮らすことになったのだが、魂を迎える天使に会ったのか?妖しくも怖い新しき古典!富樫伝奇の新版『百物語』全て書下し。ハーンの世界が今、蘇る。
著者等紹介
富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
昭和36年生まれ。北の大地・北海道生まれの資質は大陸的な大きな世界を描かせても魅力的だが、奇妙な話の連続でも遺憾なく発揮される。全ての作品がアイデアの宝庫だが、全て書下ろしというのも素晴らしい
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感想・レビュー
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ねぎまぐろ
2
★★★2022/02/18
わたしは元気
2
なんだか気持ちの暗くなるお話ばかり。つぎは、気持ちの明るくなるお話が、読みたい。2017/08/09
ナチュラ
2
明治時代、日本に来日して間もない外国人 ラフカディオ・ハーン(後の小泉八雲)は島根の雪山で遭難し、青い目の尼に助けられる。 療養中、その尼から、日本のさまざまな時代の怪談話を聞くことになるのだった。 「陰陽寮シリーズ」外伝。 安倍清明から本能寺の変、戊辰戦争まで「歴史エンターテーメント」。 この尼の正体は? 2014/08/02
yukiko.k
0
金時、綱とはずっと一緒にはいられないのだな・・それが寂しいなと思いました。 一冊通してどれも、面白かったけれど蜘蛛の話が印象的。2016/07/02
もかすけ
0
私の住む町は八百比丘尼伝説ゆかりの地。八百比丘尼はもなみだったのか。2014/12/16