内容説明
吉備真備は三十六年の歳月を経て再び唐へ向かった。妖魔・長屋王の祟りを鎮めるため、唐留学中の阿倍仲麿に助けを求めたのだ。しかし彼の地では玄宗が政治に倦み、楊国忠が国を壟断していた。仲麿の妻や僧・弁正も魔の手にかかり無念の死を遂げていた。その弁正が命を賭して、手記『妖狐秘要』を書き残していた。そこには楊貴妃の正体や、長屋王の怨霊について驚愕の事実が記されていたのだ。真備は仲麿を促し、共に帰朝して国難にあたろうとするが、二人の前に楊国忠の邪悪な権力が立ちはだかる。書下し超伝奇巨篇。
著者等紹介
藤巻一保[フジマキカズホ]
1952年、北海道生れ。中央大学文学部卒。神秘主義宗教の研究家
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