内容説明
1930年、国際都市上海は、帝国主義列強の侵略を受け、ズタズタに分断されていた。この緊迫した情勢のなか、著者はゾルゲと出会い、情報活動に身を投じていく。満洲事変、上海事変、蘆溝橋事件と続く歴史の水面下で、ある時は日本軍の謀略機関に潜り込み、ある時は右翼ファシスト集団に紛れ込む。ゾルゲとの出会いから、ゾルゲ事件に連座して検挙されるまでの10年間を克明に記録した迫真のドキュメント。
目次
第1章 1930年前後の上海
第2章 満洲事変とコミンテルン
第3章 嵐吹く満洲
第4章 上海事変
第5章 黄浦江の波濤
第6章 祖国日本
第7章 華北から満洲へ
第8章 華北侵略のプロフィル
第9章 改造日本の首都
第10章 揺らぐ大陸
第11章 日本の破局近づく
第12章 獄中